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やせたい人は「今夜もビールを飲みなさい」…メタボが気になる方に朗報!

安中千絵(管理栄養士/食・健康コンサルタント)

2016年05月15日 公開 2022年12月26日 更新

安中千絵

ビールは太るという常識の間違い

ビールが他のお酒に比べて太るといわれるのは、糖質が含まれているからです。

一方、焼酎やウイスキー、ウォッカなどの蒸留酒は、糖質を含まないため、ダイエットに良いお酒とされています。糖質を含む、含まないは、お酒のつくり方に起因しています。

ビールや日本酒、ワインなどの醸造酒は、原料の麦芽や米、ブドウに酵母を加え、発酵させてつくります。この際、原料に含まれる糖分を、酵母が分解することでアルコールが生まれます。太古の昔に生まれたこのお酒が、醸造酒です。

私たちの祖先は、果実が酵母によって、偶然アルコール発酵したものを見つけ、その美味しさの虜になって、さまざまなお酒を生み出してきました。

原料に含まれている糖分は、すべてがアルコール発酵に使われるわけではなく、できあがったお酒の中に若干残ります。これを残糖と呼びます。ワインや日本酒など は、この残糖の量によって甘口・辛口といった味のタイプに分けられています。

これに対して蒸留酒は、アルコール発酵した原料を蒸留して、アルコール分を集めてつくられます。糖質は原料のなかに残るため、蒸留されたアルコール中の糖質は0となります。

ただし、ビールに含まれる糖質量は、ロング缶1本で、ごはん半杯にも満たない量です。健康な人にとっては、この程度の糖質量は大した問題はありません。

おつまみや食事量で充分調整することができるため、ビールを飲みながらダイエットすることは充分に可能なのです。好きなビールを我慢するより、飲み方やおつまみを工夫して、ストレスなくダイエットをしましょう。

 

1日の糖質量をまず決めよう

ダイエットや健康、老化防止のために大切なのは、血糖値の上昇をゆるやかにすることです。その血糖値上昇に関わっているのが食品に含まれる糖質です。

発泡酒や新ジャンルの商品などで、よく「糖質オフ」とうたわれているので、ビール党にとって「糖質」は、聞き慣れた言葉だと思います。

栄養成分表示には、「炭水化物」と書いてある場合と、「糖質」と書いてある場合があります。「炭水化物」とは、「糖質」と「食物繊維」の合計です。

炭水化物に含まれる「糖質」は、血糖値を上昇させ、「食物繊維」には血糖値上昇を抑えるという、相反する作用があります。そのため、ここでは血糖値上昇の原因となる「糖質」について取り上げていきます。

ダイエットをする上でポイントとなるのが、糖質量を管理することです。

糖質をたくさん摂れば血糖値は上がり、糖質を控えれば血糖値の上昇はゆるやかになります。

また、糖質を控えると、カロリーが抑えられるため、体脂肪の燃焼につながります。

糖質は、砂糖やお菓子、果物など、食べて甘いと感じる食品や、ごはん、パン、うどん、芋などのでんぷん質の食物に多く含まれています。ビールにも、糖質が含まれているわけですが、ではどうやって「ビールを飲みながらダイエット」するのでしょうか?

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1日に飲むビールの量を決める

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