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生き方

お金がないと幸せになれない? お釈迦様が説いた“現実的な答え”とは

大愚元勝(住職・慈光グループ会長)

2023年11月21日 公開

 

お金に不安のない生活を送るには

お釈迦さまの教えを記した最古の仏典と呼ばれる『ダンマパーダ』に、このような言葉があります。

「若いときに心を育てることもなく
または財産をつくることをしなかったならば
魚のいない沼にいる老いた鷺のように悩む」

「若いときに心を育てることもなく
または財産をつくることをしなかったならば
昔のことを嘆きながら使い古された矢のように横たわる」

人間は人の間に生きています。人の間で、人からお金をいただき、人に対してお金を使い、人からの信用の量によって稼げる額が変わってきます。

お金を稼ぐということだけに、躍起になっていると、結果として、人の信用を失っていくということになりかねません。

生きていくためにお金は必要です。足るを知って、蓄財をしていくことは必要です。

でも、それ以上に必要なことは、心を育てるということです。

人を思い遣ったり、持てるものを人に分け与えたり、辛いとき、怒れるときにも我慢をしたり、調子に乗ることもなく、落ち込み続けたりすることもなく、時々に心身を整え、感謝や義理人情を忘れないなど。

そのように心を育てた人には、信用が集まるし、お金も集まる。何より、かつてのお釈迦さまがそうであったように、一切のお金を持っていなくても、必要なときに必要な人から糧や助けを得られるようになって、「お金」に縛られなくなるのです。

心身の健康に気をつけ、永く勤勉に働いて、得た収入を4分割して守り増やすこと。

「今だけ、金だけ、自分だけ」と考えて、がめつく、狭く生きるのではなく、「長い目で見て、分かち合い、助け合う」精神で、大らかに、楽しんで生きること。

それこそが、さほどお金に困ることなく、幸せに生きる秘訣なのです。

 

著者紹介

大愚元勝(たいぐげんしょう)

僧侶

佛心宗大叢山福厳寺住職。僧侶・作家・事業家・セラピスト・空手家と4つの顔を持つ。YouTubeのお悩み相談チャンネル「大愚和尚の一問一答」は、登録者60万人を超える(2023年10月現在)。著書に『自分という壁』(アスコム)などがある。

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