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5年で雇用消失は8300万件...「AI時代に活躍する人材」の必須スキル

大賀康史(フライヤーCEO)

2023年11月30日 公開 2023年11月30日 更新

 

これから必要とされるスキル

今後はITと同様にAIを駆使して働く人が今後増えていくことは自明です。その時代に求められるスキルが本書で触れられています。

第一位から、クリエイティブ思考、分析的思考、テクノロジー・リテラシー、好奇心と生涯学習、レジリエンス・フレキシビリティ・アジリエンス、と続いていきます。AIの知識に留まらず、求められる思考や行動の特性が変わっていくことも示唆されています。

スキルは主に仕事上で発揮するものであることを踏まえると、環境変化にさらされるビジネス環境ではスキルには寿命があることを理解しておくと良いでしょう。

マインドセットや気質に関わるスキルは概ね7年以上の耐久性がありますが、産業・業界に関わる知識は概ね5年前後、プログラミング言語や組織特有のスキルは2.5年以下だとされています。そのため、何を学ぶかが大切であることに加えて、一度学んで終わりではないことにも注意が必要です。

なお、海外における採用面接では、fast learner(習得が早い人)であることが、評価の高いポイントになるそうです。新たに学ぶ姿勢を持つとともに、早く習得することが求められるのです。

 

具体的な学習アプローチ

個人に焦点を当てたときに、まず学習目的をはっきりさせておく必要があります。本書によれば、将来の選択肢を増やす、給与を上げる、自分自身のアップデート(成長分野に軸足を移す)、というものが挙げられています。どれも魅力的な響きがありそうです。

新しく学ぶに際して、何よりも学習時間を確保しなければなりません。まずはリスキリングをする時間を生み出すために、今まで使っていた時間を減らさなければなりません。例えば、会食を断る、昼休みを早めに切り上げる、出張を減らす、出席する会議を減らす、などが考えられます。私生活に踏み込めばさらに余地がありそうです。

そして1カ月間新しい学習生活を全うして、その後時間配分を見直すことが良いそうです。

『人生を変えるモーニングメソッド』(ハル・エルロッド著)によれば、最初の10日間は「耐え難い期間」で、次の10日間は「不快な期間」、そして「止まらなくなる期間」がおとずれるといいます。ここまでくると学習習慣が定着したと言えるのではないでしょうか。

次はどう学ぶかです。視覚優位の方には、書籍、オンライン動画、ウェブサイトなどが有効な手段として挙げられています。聴覚優位の方はポッドキャストやオーディオブックなどの方法が有効です。自分が視覚優位なのか、聴覚優位なのかは認識しておくと良いでしょう。

ちなみに私自身は視覚優位なので、書籍やオンライン動画が主で、聴覚は気分転換も兼ねた副の位置づけになっています。

学習の定着にはアウトプットも大切です。著者がおすすめされているアウトプット方法は、PC上でメモを書くことに加えて、人前で学んだことを話す機会をイメージしてパワーポイントでまとめることでした。たしかに緊張感を持って学ぶことができそうですし、有効そうに思えます。

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これからの働く環境の変化を見据えて

著者紹介

フライヤー(flier)

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