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奥様との雑談に全てがある「お客様の心を動かす“エピソード営業”」

山内緑(売りの現場コンサルタント)

2014年08月21日 公開 2023年01月12日 更新

奥様との雑談に全てがある「お客様の心を動かす“エピソード営業”」

目の前の営業マンが一生懸命、新製品の説明をしている。その製品の特長や他社との違いなど詳しく話してくれるのですが、さっぱり興味がわいてこない。

しかしその製品を使った人の体験談が出てきたとたん、興味がわいてきた。このようにエピソードというのは、相手に大きなインパクトを与えるとともに、長く記憶に残るものである。本稿では、具体例とともに「エピソード営業」について紹介する。

※本稿は、山内緑著『エピソード営業』(PHP研究所)より一部抜粋・編集したものです。

 

お客様を観察して、エピソードをつかむ

いつもの営業だからと、いつもと同じようにお客様に応対していると、何の情報も入ってきません。例えば、上司から「今日、山内様は春の新商品をご覧になられてどうだった?」と聞かれて、「いいですねと言っていました」。これでは営業マン失格です。

山内様が「いいですねと言っていました」では、山内様は良い印象を持ったのか、それとも、今ひとつの印象だったのか、何の情報もありません。

お客様のエピソードを見つけるために重要なのは、日頃の観察です。お客様は何に対して目を輝かせたか? どんな言葉に反応したか? 何度もおっしゃったことは? ……など、どんな小さなことも見逃さないことです。

例えば、お客様がピンクのカーディガンをお召しなら、「先日、お会いしたときも確かサーモンピンクのカーディガンでしたね。ピンクは山内様のお好きな色ではと思っているのですが、いかがですか?」

この「ピンクのカーディガン」がエピソードです。お客様のお宅を訪問したとき、庭の花や木の名前を聞いて覚えておきます。

「お家にお伺いしたとき、お庭のジャスミンの花の香りが甘くて、うっとりしました」

「ジャスミンの香りが甘い」がエピソードです。

「ネクタイのコーディネートが楽しい、とおっしゃっていたことを思い出します。どんなスーツと合わせていらっしゃるのか、ぜひお聞かせください」

「ネクタイのコーディネートが楽しい」がエピソードです。

お客様は自分のしたことや、自分が言ったことを営業マンが覚えていてくれることをうれしく思うものです。

このようなお客様のエピソードは、「お客様情報シート」で管理します。契約をもらった既存客、これから契約をもらうためにフォローしている見込み客の情報も、「お客様情報シート」を使うと便利です。

「お客様情報シート」は手に入れたお客様情報を整理し、ストックしていくことに使います。使うほどに、もっと深く知ったほうが良い情報が必ず出てきます。

というのは、人や生活の情報は1枚のシートにまとまるほど単純なものではなく、しかも日々変化していくものだからです。その場合は、自由に項目を増やしてください(ご主人の趣味、お子様のお稽古事、志望校など)。

特に奥様のエピソードはできるだけ、たくさん、細かくつかみましょう、なぜなら、営業では奥様と接点を持つことが多く、また奥様が購買の決裁権を持っているケースが多いからです。

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