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「感動分岐点」が人と業績を動かす~はままつフラワーパーク

塚本こなみ(はままつフラワーパーク理事長)

2015年11月05日 公開 2023年01月06日 更新

塚本こなみ

緑を守り育てる仕事に着目

当時、造園会社といえば、完全なる男社会。そしてどの会社も、造園工事の受注に躍起になっていました。でも私は、「つくることより、できた緑地を維持する仕事が求められる時代になるだろう」と思っていました。ちょうど、ビルメンテナンスという仕事が登場し始めたころです。

私は夫の許可を得て、35歳のとき、「女性の感性で花と緑を育てる」をキャッチフレーズに、グリーンメンテナンスという会社を立ち上げました。当初は、細々と芝生の管理をしたり、樹木の手入れをすればいいと思っていました。

ところが、住宅団地や工業団地などから、緑化の仕事がどんどん来るのです。「夫の会社のほうがずっとすばらしい技術を持っているので、そちらにご依頼いただけませんか」と申し上げたのですが、ある依頼主は、「この300区画の団地で暮らすのは、おばあちゃまや奥様といった女性。だから女性の感性でつくってほしい」と譲りませんでした。

グリーンメンテナンスを立ち上げて数年後、私は環境緑化研究所という造園設計事務所もつくりました。これも、当時の緑化工事に疑問を感じたのがきっかけです。

浜松市役所の緑化工事を手がけたときのことです。この事業を受注したのは、ある有名なゼネコン。私たちはその下請けの工事に携わりました。その打ち合わせの席で、設計者は、「ここは静岡だから、外周にお茶の木を植えたい」と提案されました。

でも私は「お茶はダメです」と反論しました。茶の木には「茶毒蛾」という虫がおり、触っただけで体中に炎症が広がります。市役所のような多くの人が集まるところに茶の木を植えたら、お子さんまでもが茶毒蛾の危険にさらされます。それに、美しい景観を保つため、年に3回も4回も刈り込む必要があります。そんな手間がかかるものは植えないほうがいい、と発言すると、みんなイヤな顔をするんです(笑)。

植物の知識がない人たちが、見た目だけで緑を設計している。それなら、私が造園の設計事務所をつくればいい。そう思って立ち上げたのが、環境緑化研究所です。以来、45階建てビルの屋上庭園、ホテルや結婚式場のお庭など、大型の造園事業をたくさんお引き受けすることになりました。

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