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私情をはさむな! ドナルド・トランプが語るビジネス成功の哲学

2016年12月05日 公開

Donald John Trump

ドナルド・トランプ著、月谷真紀訳『トランプ思考』より

ドナルド・トランプ

 

私情をはさむな─これは仕事だぞ

ビジネスに長けているというのは最も魅力的な種類のアートである。お金を稼ぐのはアートである。仕事をするのもアートである。儲かるビジネスは最高のアートである。
─アンディ・ウォーホル

 仕事とはお金を稼ぐことである。これは基本だ。これがわかるのが早ければ早いほど、ビジネスとは何かを理解するのも早くなる。ビジネスを何か別のものだと考えている人がいて驚くことが本当に多い。高尚な思想と慈善目的を携えてやって来るのだが、そうしたものはビジネスの場ではまったくの場違いである。双方の時間の無駄だ。

 ウォール街40番地ビルの一階にアトリウムを作ろうとしたビジネスマンたちがいた。すばらしいアイデアだ。彼らはウォール街40番地ビルを「ダウンタウンのトランプ・タワー」にしたかったのだろうが、あることを忘れていた。72階建てのビルを支える鋼鉄の柱をどうするのか。この構造に関わる大事な条件はすっかり彼らの頭から抜け落ちていた。見落としを指摘した私が個人的に恨まれていないといいのだが。

 ビジネスはあくまでもビジネスだ。例えば、もしあなたが解雇されたとしたら、通常その背景には企業業績などの数字があるのであり、解雇そのものに個人的に屈辱を覚える必要はないだろう。企業は常に利益を気にしていなければならない。でなければ長く事業を続けられないからだ。感情的になってはいけない。感情が先に立てば、状況の理解を誤りかねない。必ずしも簡単なことではないが、客観性を心がけよう。

 人間相手でも、ビジネスは時として非情なものだということを私は若いうちに学んだ。取引先だったある銀行家などは、そのあまりの無関心ぶりでまさに機械のようだった。機械がノーといったら、これはテコでも動かない。感情を持たず5時になったら帰宅したいとしか考えていないお役所タイプより、本物の情熱を持った殺人者と付き合うほうがましだ、と私は書いた覚えがある。時にはそんなレンガの壁に突き当たる。とにかく壁の向こう側に行く方策を見つけるしか手がなかったから、何とか切り抜けた。だがビジネスがいかに非情になりうるか、とても勉強になった。

 私はどちらかといえば人に優しくありたいと思う。そのほうが物事はうまく回る。関係者全員にとって選択肢が増えるし、工夫の余地も広がる。エネルギーは余分に必要かもしれないが、それだけの価値ある結果が出るのは断言できる。全国ネットのテレビ番組で毎週、出演者たちに解雇を言い渡すようになってから急に私の人気が上がったのは、いまだに不思議だ。番組で解雇を言い渡す私を人々は心から気に入ってくれた。少なくとも私はそういう印象を受けた。有名人の素顔を見られたから、というのが真相だろう。私が厳しい面もあるが公平であろうとするところを見てくれたのだろう。私には人を育てる才能も少しばかりある。昔からずっとそうだったが、今までは従業員以外の人の目に触れることはなかったのだ。私は人に優しい人間だが、ビジネスに徹する場合もある。正直な話、この2つを両立させるのはひどく骨が折れる。

 私は人を完膚なきまでに叩きのめさないよう心がけている。私生活でも仕事でも私の邪魔をする相手にはダブルパンチを食らわせる用意があるゆえの自制だ。意地悪をするのをけっして楽しみはしないが、自衛のために必要な場合もある。自分は何をしてもいいが相手には許さない、あるいは相手は何をしてもいいが自分はだめ、というダブルスタンダードが私は好きではない。相手が私にどう接するかが、そのまま私の相手に対する接し方になることもある。これを昔からいう「目には目を」方式と呼ぶ人もいるが、私はフェアプレーと呼んでいる。いじめっ子に対処するには殴り返すしかない場合もある。誰を相手にしているかわからせればいいのだ。あくまでもフェアプレー ─もう一度いうが、個人の感情をまじえてはいけない。

 目配りを怠らないのが賢い。全体像を見るには、まず「自分がその絵から出て」みよという人もいる。個人に向けられたわけではないものを、個人的に受け止めないことだ。人が怒りの矛先をまちがうのはよくある話で、それを個人的に受け止めてしまうと、罵詈雑言のサンドバッグ状態になってしまう。かつて私に対してまったく見当違いなことをいう人たちがいた。今なら、およそ9割は私とは何の関係もない言いがかりとわかっているから、さらりとかわせる。面の皮を厚くし、常に自分はポジティブな物の考え方をキープしていなければならない。

 強く賢く、人には優しく、だが個人の感情ははさまない。これが上手なビジネスである。

iyashi

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