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プレ・シンギュラリティ―人工知能とスパコンによる社会的特異点に、人類はどう備えるか

2016年12月28日 公開

齊藤元章 《株式会社PEZY Computing代表取締役社長》

PHP研究所刊『プレ・シンギュラリティ』まえがきより

 

現実がSFを超える日は近い

時が経つのは早いもので、2014年12月に『エクサスケールの衝撃』を発刊させていただいてから、早くも2年の歳月が流れました。

筆者が開発するスーパーコンピュータは、2014年11月期の世界ランキング「Green500」で世界第2位という結果を得たのち、やはり二番では駄目であることが明白であったため、他にも2台のスーパーコンピュータを新規に開発することで、翌2015年7月期の「Green500」では1-3位独占の結果を出させていただきました。

さらに、2016年6月期まで、史上初の三連覇も達成しておりましたが、2016年11月期には最新の米国製競合製品によるシステム2台に先行を許して3位に後退しています。

今回は、新しいシステムの開発に少々の遅延が生じて、計測実験が間に合わなかったのが原因でしたが、再び、2年前と同様に、来期の世界一位奪還に向けての決意を新たにしているところです。

そして絶対性能を競う「TOP500」においても、世界一を目指した開発が順調に進んでおり、最短で2018年にも、「エクサスケール」の性能を持つスーパーコンピュータが完成する見通しとなってきました。いよいよ次世代スーパーコンピュータが稼働する日が、確実に近づいています。

2014年末に『エクサスケールの衝撃』を上梓させていただいたとき、世の中では「人工知能・AI」という言葉も、「シンギュラリティ」という言葉も、まだそれほどメディアで目にすることはなく、新しい世界と社会の到来に対する感覚は、非常に希薄なものでありました。拙著も、その出版当初は、ありえない夢物語やトンデモ本として捉えられていた時期があったと記憶しています。

ところが今年に入ると、「人工知能・AI」という言葉がメディアに掲載されない日がないほどになり、日増しにその存在感が大きくなって、社会問題の中でもかなり大きな関心を集める重大課題として捉えられるようになってきました。そうした状況で、拙著に対する見方も、夢物語としてではなく、そうした衝撃が本当に訪れる可能性が出てきている、というものに変わってきたように思います。

600頁近くに及ぶ分厚く取っつきにくい拙著でしたが、幸いに重版が進み、少なくない方々にその内容をお目通しいただけておりますことは、嬉しいかぎりです。

しかし今、まさに時代が大きく変わりつつあり、「エクサスケールの衝撃」に向けて速度を速めて世界が進みつつある状況を鑑みたときに、これまで以上に多くの方々にその内容を知っていただき、迫る「プレ・シンギュラリティ(前特異点)」の意味や本質を理解していただいて、それに対する準備を進めていただきたいと考えるに至りました。

本書は、原書である『エクサスケールの衝撃』の内容を約半分に凝縮した抜粋版ですが、原書の重要箇所を余すところなく盛り込んであります。ですから、その要点以上の内容を十分にご理解いただけるであろうことを、お約束することができます。

「プレ・シンギュラリティ」に関して、さらに詳細な内容についてご興味をお持ちになられた方は、原書にお目通しをいただけましたら、筆者冥利に尽きます。

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