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生き方

クラスメイトだった彼から「君は愛人だからね」といわれました……恋愛相談室

井上香織

2015年03月18日 公開 2022年07月14日 更新

クラスメイトだった彼から「君は愛人だからね」といわれました……恋愛相談室

「愛人」だなんて!なぜ?

相談内容

私は今、高校のクラスメイトだったk君に恋をしています。彼とはバイトも同じで結構仲良しなんです。彼は私の気持ちを知っているのですが、彼の私に対する気持ちがいまいちはっきりわかりません。

前からk君は、私に何かあるたびに優しくしてくれました。けど、いつもあと少しってとこで突き放されるばかりで、何度も忘れようとしました。そして7月、私に彼氏ができたのですが、「ヤリ逃げ」されてしまい、またk君に頼ってしまいました。彼はやっぱり優しくて。「突き放さないで」と言った私に「大丈夫だよ!」と言う彼。どんどん好きになっていきました。何でそんなに優しくしてくれるのか聞くと、いつも「愛してるから」とか「愛人だから」という決まった答え。彼の言う“愛人”の意味が私にはわかりません。それに「愛してる」ってメールもふざけて言っているようにしか聞こえません。

だけどこの8月に「あれ!?今までと違う…」と思ったことがありました。私は3週間ほど地元を離れていたのですが、その間に「寂しいから、早く帰って来い!」のメールが入ったりしてすごくうれしかった。いつもは私が一方的に言ってるばかりだったから。中でも一番うれしかったことは「帰ってきたら抱きしめてやる」って。全然信じてなかった言葉なのに、地元に帰ってみんなと遊んだ帰り、家まで送ってくれたk君が「口だけじゃないから。おかえり!」ってギュッてしてくれたんです!!!すごくうれしかった。「もっと好きになちゃってもいいの?」という私のメールにまた「愛人だからね」の意味不明な答え。彼の気持ち知りたいけど、前にも告白してふられてるから口で言うのはコワイんです。どうしたらイイのでしょう…??

(18歳、専門学生) 

 

彼には本命の彼女がいる?

アドバイス

あなたのお便りを読んで、最初から最後まで、気になって仕方なかったのは、あなたも疑問に感じている「愛人」という言葉です。

「愛人」という言葉は、本来は「恋人」あるいは「情婦」といった意味がありますが、今の日本では通常、たとえば片方が結婚しているけど…という関係のことを現わすことが多いようです。

彼が、あなたのことを「カノジョ」や「恋人」とは言わず、あえて「愛人」だと言う、彼の心理状態を私なりに考えてみました。

正直に感じたことを言ってしまうと…彼には本命の彼女がいる、あるいは、まだおつきあいをしていないまでも、あなた以外にとても好きな女の子がいる…そんな気がしてなりません。

「嫌いじゃないし、3週間も会えないのはちょっと淋しかったりするけど、キミはあくまでも2番手だよ」というメッセージが「愛人」という言葉に込められているのではないかと、私は思います。

残酷なことを言ってしまって、ごめんなさい。

でも。

これから先。あなたが、きちんと考えなければならないのは、そんな「愛人」の立場でいいのかということです。

いろいろ辛いことがあって、誰かに助けてほしかったり、そのときのやさしさが心にしみたりするのは、当然のことです。しかし、あなたのそんなせつない気持ちに気づいていながら、格好つけて、あなたのこと見下したように「愛人」だと言い、あなたを離さないように、ときには甘い台詞を口にしたり、抱きしめてあげたりもする…部外者の私にしてみれば、自分勝手で許せない!と思ってしまいます。

「愛人」というのは、あなたを…あなたという存在そのものを侮辱した言葉じゃないのかな?

あなたは、これからもそんな言葉に象徴されるような彼の態度に耐えながら、この辛い恋を続けていくのでしょうか?

それでも、簡単に彼を忘れられないというのなら、思いきって、一度、彼から離れてみるのはどうですか?

こちらからの連絡が途絶えた時、彼がどういう行動にでるか…(おそらくまた甘い言葉を振りまいて、引き止めにかかると思いますが…)彼の様子を見て、また改めてふたりのことを考え直してみるのもいいかもしれません。

いずれにしても。あなたは、まだ18歳。もっと自分に自信を持って、いきいきとした日々を過ごしてほしいと私は勝手に思ったりしています。

そして…あなたを心から「愛してる」と言って本物の愛情で抱きしめてくれるひと。きっと現れると、(これもまた勝手に)思っています。

元気を出してくださいねっ!

著者紹介

井上香織(いのうえかおり)

青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代にはシンガーソングライターとして、アルバム『めざめの刻に』他を発表。また、ラジオのDJ、作詞、詩集『サイレント・レター』(サンリオ)も。大学卒業後は私立高校で英語教師として勤務するかたわら著作活動を続ける。著書は『25歳の辞表』(徳間書店)、『オードリー・ヘプバーンの恋愛講義』(河出書房新社)、『MON CHERI』(KKベストセラーズ)、『放課後』『恋愛歌』『“あなた”からの卒業』(講談社)、『それでもあなたに逢いたくて』『それでもあなたが好きだから』『淋しいのはあなただけじゃない』(大和書房)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)他多数。

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