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社会人になった彼とのつきあい方…恋愛相談室

2015年03月20日 公開

井上香織

ついきついことを言って喧嘩になることも…

相談内容

付き合って4年になる彼氏とのことでお話を聞いてもらいたいと思います。

私は今、大学4回生で彼氏は今年就職したばかりの2歳年上の人です。お互いが学生だったころはみんなからうらやましがられるくらい仲のよいカップルでしたが、彼氏が就職してからというもの喧嘩が絶えません。付き合ったころからお互いに干渉せず電話も週に1度くらいのペースで、会ったときには思い切り2人の時間を楽しむような付き合い方をしてきました。その距離が2人の絆を強くしていたし、こんなに長く付き合っていても出会ったころのような新鮮な気持ちでいることができるのだと思います。

彼氏が就職してからも変わらずそうしていたのですが、環境が変わった今では、私は学生なので会社とはどういうものか分からないし、どういう立場に彼氏がいるのかもわかりません。週に1度くらいの休みは2人で楽しみたいので私の本当の気持ちは話していませんでした。そのうち、会社での疲れを癒してとばかりに彼氏に頼られるようになり、どうすればいいのか分からなくなります。そしてつい彼氏にきついことを言ってしまい、会社で疲れている彼氏も文句を言ってきて喧嘩になるのです。

4年間付き合ってきた年月のおかげで別れることはないのですが、私も来年は就職です。最後の自由な年をもっと有意義に楽しく過ごしたいとストレスがたまります。もっと私が我慢すべきなんでしょうか?よろしくお願いします。

(22歳、学生) 

 

彼は学生時代とは違う過酷な状況にいることだけはわかってあげて!

アドバイス

学生時代の年上の彼氏というのは、一緒に同じキャンパスにいられるときはもちろん、学校が異なる場合でも同じ“学生”という空気の中にいられる季節は最高に楽しい時間を共有できますが、哀しいことに、卒業という関門を過ぎると、ふたりは違う世界に生きなければならない宿命があります。あなたはまさにその渦中にあるようですね。

おふたりは、というより、あなたはお便りの文面からすると、かなりクールで大人の感覚の持ち主のような気がします。あなたたちのようなケースの場合、大半は女の子の方が、社会人になった彼に対して、私は会社の人間関係はなにも知らないし、未知の世界に飛び込んだ彼がそこでどんな顔をしているのかも知らない。もしかしたら、社内にすごく可愛い女の子がいて、彼の気持ちが私から離れていったらどうしようと心配したり、この間は仕事が忙しくて逢えないってデートをキャンセルされたけれど、もしかしたら本当は仕事じゃなかったのかもしれない…。なんて、不安に陥ってしまったりするものです。むしろ、彼に仕事で疲れた心を癒してほしいと頼られたりすると、私はまだ学生だけれど、彼にとって必要な人間なんだと、それをうれしく感じたりする女の子の方が多いのではないかと思います。

しかし、あなたは彼が卒業する以前のふたり…それぞれがしっかり自分を持った上でのふたりの関係がベストだと思い続けているようですね。もちろん、数年の時を経てもお互いに新鮮な気持ちでいられるというのは、素敵なことだと思います。お互いに干渉も、束縛もしない、でも、楽しめるときに思いきり楽しむ。そんなふたりは、まわりの仲間たちから見れば理想のカップルだと賛美され、うらやましがられたことでしょう。私の乏しい想像力の中でも、キャンパスで笑顔をかわしているあなたと彼の姿が目に浮かんできます。

けれど、状況が変わった今、彼があなたのやさしさを求めているということはしっかり受けとめてあげてほしいと私は思います。あなたも、就職活動をしているのなら、社会の風がいかに冷たいか、感じているはずです。彼があなたに仕事で疲れ果てた心を癒してほしいと思っているうちは、まだ大丈夫ですが、あなたがそんな彼に対してストレスを感じていることは、喧嘩がたえないということが示しているように、もう彼には伝わっていると思います。哀しいことに、次に彼がとる行動は目に見えています。その場限りでもいいから、自分の仕事上の苦しさをきちんと理解し、慰めてくれる女性を求める…彼がよほど意志と貞操観念が強くない限り、そうなることは否めないでしょう。

心が弱っている時は、誰でも慰めや励ましの言葉がほしいものです。彼は、それをあなたに求めています。もしも…あなたに、なにか辛いことがあったとき、いちばんに声をききたい人、なにかとても哀しい出来事にみまわれて気弱になったとき、いちばんに顔を見たい人、抱きしめてほしいのは彼じゃないのかな?

あなたは、今、通い慣れたキャンパスで、残された自由な時間をどう過ごすか夢をめぐらせている。もちろん、あなたの人生の中の貴重な時間の費やし方について、私はどうこう言うつもりはありません。思いきり楽しく過ごしたいというのは、当然のことだと思います。でも、彼は今、学生時代とは、まったく違う過酷な状況にいることだけは、わかってあげてください。

“我慢する”とか、そういう気持ちではなく、支えてあげたい、という想いが、あなたの中にないのだとしたら…。今がふたりの関係を見直す転機なのかもしれません。

iyashi

著者紹介

井上香織(いのうえかおり)

青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代にはシンガーソングライターとして、アルバム『めざめの刻に』他を発表。また、ラジオのDJ、作詞、詩集『サイレント・レター』(サンリオ)も。大学卒業後は私立高校で英語教師として勤務するかたわら著作活動を続ける。著書は『25歳の辞表』(徳間書店)、『オードリー・ヘプバーンの恋愛講義』(河出書房新社)、『MON CHERI』(KKベストセラーズ)、『放課後』『恋愛歌』『“あなた”からの卒業』(講談社)、『それでもあなたに逢いたくて』『それでもあなたが好きだから』『淋しいのはあなただけじゃない』(大和書房)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)他多数。

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