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生き方

同棲中の彼と喧嘩別れに。もう一度話をしたいけど、彼は頑固なので……恋愛相談室

井上香織

2015年03月16日 公開 2022年07月14日 更新

同棲中の彼と喧嘩別れに。もう一度話をしたいけど、彼は頑固なので……恋愛相談室

同棲していた彼と喧嘩…

相談内容

私はかずと言います。今、すごく悩んでます。というのも、つい先日3年半つきあっていて、そのうちの半年間一緒に住んでた彼氏と別れたのですが、もう一度、話をしようかと思ってるんです。

8月のお盆にちょっとした事から結構激しいケンカをしてしまいました。その時は仲直りできたんですが、私の仕事や同棲の事などで、ストレスとかもたまってたんです。9月に入ってからそういうのが強くなったりして、彼氏にも怒ったり、すねたり、泣いたり、というような事をしていたと思います。彼が1週間出張に行ったときがありました。その前の日から様子は変だったのですが、途中、彼からいたって普通にメールがきて、とてもうれしいと同時に安心したのか、私の気持ちをわかってもらいたくて、迷いながらメールで「このままメール来なければマジで考えようかと思った。ちょっとでも思ってるのなら気をつかって欲しいし、考えたくないならハッキリ言って!」って言うような事を長い文で送ったんです。彼氏にしたらそれがハッキリした引き金になったのでしょう。

帰って来てもしゃべらないし、ご飯もいらないし、「あのメールの事で怒ってるの?」って切り出したら、「怒ってないよ。でも、あのお盆の時のケンカはかなりショックで、へこんで、考えたんだ。友達のおかげで仲直りしたけど、それがなかったらそのときに別れようと思ってた。でも、そのことがずうっと頭の隅にあって、今度、そういうハデなのしたらののしりあって切れて別れると思う。それを考えたら、今までみたいに振舞えないし、(ケンカを恐れて)このまま付き合っていける自信がなくなった」と言われました。「この先、きっとお前と別れた事を後悔すると思う。嫌いで別れるんじゃないから。もし何かで会う事があっても、お前が俺の顔を見たくない!っていう風に嫌いにならなければ俺は友達として会えるよ」って言うんです。私は「あなたからメールが来た時すごくうれしかったし、この3年半付き合ってきた事を思うと、あなたの事は好きだし、今までどおり付き合っていきたいと思ってる。それでもあなたの意見は変わらない?」って聞いたら、しばらく考えてたんですが、「うん、変わらない」って言われたので「それじゃあ、わかった」と言ってしまいました。

その日に彼はアパートを出て行きました。彼は表に発散するようなタイプじゃないので、私のイライラやストレスを受け止めようとしすぎて、耐え切れなくなったのでしょう。疲れたというのが本音だと思うんです。そこまで追い詰めたのは私だし、悪いのも私だと思うんです。でも、一緒に住んで、長い時間付き合ってきて、別れる時は1時間足らずの話し合いであっさり終わって、しかも彼は「嫌いじゃない、後悔する、友達としてなら…」なんて言うんです。もう一度、私にも猶予みたいなものをくれないか、と言おうと思ってるんですが、すぐ言った方がいいのか、もうちょっと間を置いたほうがいいのか…。

彼は実家に帰ってスッキリしてるかもしれないし、今言っても…という思いと、間を置くと気持ちが落ち着いてもういいよー!ってなるかも、と思ったり。彼はちょっと頑固というか固いところがあって、一度決めたら曲げないかも、とも思ってます。長い文ですいません。とても真剣です。アドバイスお願いします。

ちなみに友人たちに話したら、「あっさりしすぎ(特に私が)。話し合いが足りない。好きなら最後のつもりで言うべき!」とみんな言います。

(28歳、アルバイト) 

 

どんなにラブラブなカップルでも諍いは避けられません

アドバイス

あなたは28歳ということですが、その彼との結婚は考えていなかったのでしょうか?それから、あなたの御両親は彼との同居を知っていたのかしら…? あなたたちのように、ある程度の期間のおつきあいを経てから、一緒に暮らす場合、どうしてもその生活の延長線上に結婚が見えてきてしまったりするものです。一緒に生活するということは、限られた時間、デートを楽しむというのとは、まったく違います。たまにお泊まりすることがあったとしても、それもまた少し意味合いが異なります。

生活を共にするというのは、とりつくろった笑顔や、その場しのぎの女らしさは通用しません。仕事で疲れきったすっぴんの顔も彼に見せなければなりません。その反対に、彼の嫌な部分も目につきはじめます。ときどき逢うだけなら、脱ぎ捨てたままの服も、「まったく仕方がないひとね」と笑って片付けてあげられるけれど、それが毎日、毎日ともなると、「いいかげんにして!」とつい、怒鳴りつけたくもなったり…。まして、あなたのように、あなたがひとりで暮らしていたところへ彼が来たという場合、それまでの生活リズムが崩れ、ストレスがたまるのは当然のことともいえます。

8月に大きな喧嘩をしたそうですが、同居をはじめてから半年の間、おそらくあなたは、言いたいことがあっても我慢してきたのではないでしょうか?心に閉じ込めていた感情は爆発すると、連鎖反応を起こし、あちこちに猛火が飛び火したりするものです。あなたの忍耐にも気づかず、今まで平穏無事に暮らしてきたと信じていた彼としては、まさに晴天の霹靂。とても驚いたと同時にショックを受けたのだと思います。それはつまり、あなたの優しさにに甘えていた、ということです。

お友達が言うように、もう一度、ふたりできちんと話をした方がいいと思います。どんなにラブラブなカップルでも、一緒に暮らしているうちに、今回のような諍いは、一度は起こるものなのです。どうせなら、あなたたちのように、とことん言いたいことを言いあった方がいいと私は思います。そうすることによって、たしかに、傷つくことも多いけれど、その分、自分も相手を傷つけているのです。そこを乗り越えると…結構、お互いにやさしい気持ちを持てたりするものです。

今、彼はショックを受けて意固地になっているだけだと私は思います。あなたがどうしても彼との仲を取り戻したいのであれば、彼の許せない部分には目をつぶって、彼の頑な気持ちを氷解させるしかありません。もしも家庭環境などに原因があって、彼が求めている女性像が、たとえ仕事を持っていようとも、文句ひとつ言わず自分の世話をしてくれるひと、というのであれば…あなたが大人になって主導権を握り、時間をかけて徐々に教育してゆけばいいのです。それは、とてもストレスがたまることですが…その気持ちを彼にぶつけることは避けるようにした方がいいでしょう。ゆっくりと彼をあなたのペースに巻き込んでいくうちに、次第に彼もそういったあなたとの関係に馴染んでくるはずです。

著者紹介

井上香織(いのうえかおり)

青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代にはシンガーソングライターとして、アルバム『めざめの刻に』他を発表。また、ラジオのDJ、作詞、詩集『サイレント・レター』(サンリオ)も。大学卒業後は私立高校で英語教師として勤務するかたわら著作活動を続ける。著書は『25歳の辞表』(徳間書店)、『オードリー・ヘプバーンの恋愛講義』(河出書房新社)、『MON CHERI』(KKベストセラーズ)、『放課後』『恋愛歌』『“あなた”からの卒業』(講談社)、『それでもあなたに逢いたくて』『それでもあなたが好きだから』『淋しいのはあなただけじゃない』(大和書房)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)他多数。

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