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生き方

遠距離恋愛の彼女から別れようと言われました……恋愛相談

井上香織

2015年03月29日 公開 2022年07月14日 更新

遠距離恋愛の彼女から別れようと言われました……恋愛相談

遠距離恋愛の彼女から突然別れようと言われ…

相談内容

僕には、去年の4月から付き合っている彼女がいました。僕とその彼女の関係は、お互いなんでも話せて自然に泣き笑いする、家族愛を感じるような関係でした。  

彼女は、8月に留学しました。留学してからも電話やメールでコミュニケーションをとってました。彼女はいつもこう言ってくれました。あなたとずっと一緒にいたい。結婚したい。僕も、同じ事を彼女に言っていました。本当にいつまでも続くような関係だったと思えたのです。  

ところが、たまたま3週間ばかり連絡を取れない時があって、彼女から出てきた言葉は、別れたいという言葉でした。理由は、好きな人ができたからだそうです。その人は現地の方のようで、彼女もその人と付き合うのは難しいと思えるけど、今はすごく好きだから、僕とはもう付き合えないと言いました。

僕としては、12月の感情のままなのです。今、僕は何をしたらいいのでしょうか。僕は、彼女とやり直したいとか、好きだというメールを何通も送りました。しかし、彼女から帰ってくるのは、あなたと付き合う事はもうない。現地の方のことがものすごく好きだ。あなたに対して冷めた。の言葉一つなのです。

彼女は6月に帰国します。その時、僕はどう接すればいいのでしょうか。もう諦めた方がいいのでしょうか。帰国するまで待ち続けた方がいいのでしょうか。その間、何をすればいいのでしょうか。僕としては、好きだから諦めたくない。やはり遠距離で、ずっと会えなかった事が、彼女の気持ちを離れさせていった原因だと思うのです。だから、会うまでは、諦めきれない。会えばきっと、うまく行くと思えるのです。  

僕は、その彼女のことを、人間として好きで、絶対的な信頼をしていました。彼女が留学する前、お互い泣いて、絶対に浮気はしないと誓いました。僕は、彼女の気持ちに応えるため、浮気はもちろん、他の女の子と遊びに行く事さえしませんでした。ですから、今、絶望感でいっぱいです。ちなみに彼女が男性と付き合ったのは、僕が初めてらしく、年は20歳です。  

どうかアドバイスお願いします。

(23歳、大学生)

 

今、すぐにでも彼女に逢いにいくべきでは?

アドバイス

はっきり言うと、私のアドバイスはひとつ。あなたは忙しいかもしれないし、旅費を捻出するのも大変かもしれない。でも、彼女の留学先は書いてありませんでしたが、たとえ南極の果てだろうと、あなたは今、すぐにでも彼女に逢いにいくべきです。  

遠距離恋愛は私にも経験がありますが、相手の動向や気持ちの動きが、わからなくて不安になったり。ときに、どんなに愛している相手であっても、離れていると電話やメールだけでは癒されない日々のちいさな出来事があったりもします。「こんなこと言うと、心配かけちゃうも…」と相手に言わないでおいたことが、積み重なり、それは、自分でも気づかないうちに、ふたりを隔てる大きな壁になっていたりもします。  

もしかしたら、彼女は、そんな心の隙間をその“現地の人”とのふれあいの中で、癒してもらい、それが恋愛に発展したのかもしれません。

私は、メグ・ライアンが好きだったりするのですが、たまたま先日の深夜、邦題「恋におぼれて」というちょっとコメディ調の恋愛映画をやっていて、つい見てしまいました。それが…まさに、今のあなたと一緒だったので、ちょっとびっくりしました。

こんなストーリーです。アメリカの田舎で天文学を研究している、研究一途で誠実な好青年と、小学校の教師をしているリンダという美しい女性は、婚約目前というLOVE LOVEカップル。ところが、リンダに、ニューヨークでの研修の話が来て、彼女は彼がとめるのにもかかわらず、旅立ってしまいます。旅立つ前、彼女は彼にこんなふうに言っています。「わたしたちは、生まれてから今日までこの狭い街しか知らないわ。せっかく与えられたチャンス。私は外の世界を見てみたい」 そして、遠距離恋愛の数カ月後、彼はリンダが書き送ってきた手紙…「ニューヨークで知りあったの男性に心を奪われたのであなたとは別れます」という“別れの手紙”の内容を知り、その場でいきなりバッグに荷物をつめて、ニューヨークへと向かうのです。  

映画のその後の話はともかくとして。 触れたくても手が届かない、顔も、その表情も見ることができないまま、悶々として、彼女が帰ってくる6月を待つより、いっそのこと、思いきって彼女のもとを訪ねた方が、たとえ、あちらで相手の男性とはち合わせしてしまったり、冷めた彼女の顔を見て打ちのめされたとしても、気分的にすっきりした時間を過ごせるのではないかと私は思います。  

6月まではまだ長いし、その間、あなたは今のような精神状態で過ごし続けるつもりですか? もし、あなたの状況が許さないのであれば、「僕はずっと待ってる」という主旨のメールや手紙を送り続けるしかありません。しかし、そうは言っても彼女が帰ってくるまで、あと数カ月もありますから、毎日、そうしていては、かえって「しつこい!」と疎まれてしまいます。あくまでも、待つのであれば、ときに何週間かはいっさい連絡をしない期間を意図的につくるなど、工夫をした方がいいでしょう。毎日のように来ていたメールが、突然、ぷつりと来なくなると、どうしたのかな? 体の具合でも悪いのかしら、それとも新しい彼女が…? なんて、ちょっと気になったりするものです。

いずれにしても、つい、半年前には結婚まで誓いあったふたりです。彼女の気持ちがあなたに戻ることを祈っています。

著者紹介

井上香織(いのうえかおり)

青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代にはシンガーソングライターとして、アルバム『めざめの刻に』他を発表。また、ラジオのDJ、作詞、詩集『サイレント・レター』(サンリオ)も。大学卒業後は私立高校で英語教師として勤務するかたわら著作活動を続ける。著書は『25歳の辞表』(徳間書店)、『オードリー・ヘプバーンの恋愛講義』(河出書房新社)、『MON CHERI』(KKベストセラーズ)、『放課後』『恋愛歌』『“あなた”からの卒業』(講談社)、『それでもあなたに逢いたくて』『それでもあなたが好きだから』『淋しいのはあなただけじゃない』(大和書房)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)他多数。

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