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結婚直前、これってマリッジブルー?……恋愛相談

井上香織

2017年03月23日 公開 2022年07月14日 更新

結婚直前、これってマリッジブルー?……恋愛相談

これってマリッジブルー?  

相談内容

結婚することになりました。それはとても嬉しいのですが、同時に、これで本当にいいのか、という気持ちもあります。仕事の方は順調なのでできれば続けたいのですが、彼はあまりいい顔をしません。口では別にいいと言うのですが、本心ではないような気がします。それに結婚すると、もしかしたら彼の知らない自分(私)がでてきてしまって、嫌われるのではないかと不安です。子供っぽい悩みで恥ずかしいのですが、アドバイスいただければと思います。 これが「マリッジ・ブルー」というものなのでしょうか?

(29歳、会社員)

 

彼になんでも話すことが大切では?

アドバイス

あまり細かいことが書いてなかったので、なんとも言えませんが、とりあえず、短い文章の中から、あなたの気持ちをひとつひとつ、とりだして、考えてみると……

まずは仕事の問題。「仕事を続けることに彼がいい顔をしない」とありましたが、もしも、あなたが続けていきたいのであれば、きちんと話をするべきです。この仕事は、自分にとってどれだけ大切なものであるかということを…。彼に理解してもらえないままでいると、あとでふたりの生活がスタートした後、かならず“しこり”になるはずです。

あなたは彼と一緒に暮らした経験はないようですが、おそらく、食事のしたくや、掃除、洗濯といった日常的な家事をどちらが、どう分担するのか。それは、ふたりの間で、もめるケースは、意外と多いようです。彼はそういったことは「妻」がするべきこと、と決めている人なのかもしれないという印象がするのですが、どうですか?

けれど、お互いが仕事をしていれば、神経をすり減らし疲れているのも一緒です。最近は、そのあたりを理解し、家事を妻に強要する男性は少なくなっているそうですが、それでもやはり、「家のことは妻の仕事」という考えの男性も少なくありません。

そのあたりのことを、きちんと彼に打診してみてはどうですか?  仮にあなたがきっぱり仕事をやめたとして、あなた自身、シミュレーションしてみてください。

結婚当初は新居への引っ越し、披露宴の写真の整理とお礼状書き……あれこれと片付けなければならない雑務もあったりしますが、そんなものは、一ヶ月もしないうちに終わってしまいます。もし、「休暇」であれば、それはそれで、新鮮な経験だったりもしますが、仕事を辞めてしまっていたとしたら……

あとは、毎朝、彼を仕事に送りだした後、朝食の後片付けと、掃除、洗濯……彼が帰ってくるまでの時間、自分でなにか新しいことをみつける以外、なにもない生活がただ、延々と続くだけ、ということになってしまいます。あなたは、そんな生活、耐えられますか? もちろん、それが幸せ!と心底、思えそうなのであれば、きっぱり仕事を辞めるのもいいかもしれません。

それから「彼が知らない自分が出てきてしまって嫌われるのでは…?」という不安のことですが、それは、多かれ、少なかれ、誰でも結婚前に抱く不安です。

あなたが心配している「彼が知らない自分」というのが、どんなふうなのか、わかりませんが、人に言えない程の「性悪」とか、「男狂い」というわけではないのでしょ?  「あなたは彼とふたりきりで旅行をしたことはないのかな?もしも、ないのであれば、一度、行ってみたらどうでしょう? 一泊でも一緒に過ごせば、ふつうのデートと違って、おおよその生活パターンもつかめるはずだし、ちょっとしたことにすぐキレるとか、優柔不断だとか、そういった性格はもちろん、寝相の悪さ、いびき、寝言、歯ぎしり、なんていうのも、多少はお互いにわかってしまうもの。

その人のすべてを知った上で、結婚するなんて、本当はあり得ないものだから、基本線で愛しあっていれば、ちょっとくらい、そこからはみだす部分があっても大丈夫。 彼は、ちゃんと受けとめてくれるのではないでしょうか?

なによりひとりで勝手に“マリッジ・ブルー”に陥らず、彼になんでも話すことが大切だと私は思っています。

著者紹介

井上香織(いのうえかおり)

青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代にはシンガーソングライターとして、アルバム『めざめの刻に』他を発表。また、ラジオのDJ、作詞、詩集『サイレント・レター』(サンリオ)も。大学卒業後は私立高校で英語教師として勤務するかたわら著作活動を続ける。著書は『25歳の辞表』(徳間書店)、『オードリー・ヘプバーンの恋愛講義』(河出書房新社)、『MON CHERI』(KKベストセラーズ)、『放課後』『恋愛歌』『“あなた”からの卒業』(講談社)、『それでもあなたに逢いたくて』『それでもあなたが好きだから』『淋しいのはあなただけじゃない』(大和書房)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)他多数。

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