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残業自慢のモーレツ課長、意識改革を促すには?

2017年3月15日更新

残業自慢のモーレツ課長、意識改革を促すには?

あなたの会社にも、毎日の残業は当たり前、休日にも必ず会社に来てモーレツに仕事をする課長がいませんか? 部下にも残業前提で仕事を指示し、「うちの課は、みんな毎日遅くまでよく働いてくれるよ」と残業自慢も飛び出します。 人材開発担当者として働きやすい職場づくりを進めるためには、モーレツ課長の長時間労働やその強要を是正しなければなりません。どのように教育すればいいでしょうか。

モーレツ課長が経営にもたらす悪影響

モーレツ課長の口ぐせをご存知ですか?
「自分たちの若いころはよく徹夜したものだ」
「成功する営業は夜討ち朝駆けだ!」
「成果が出るまであきらめるな!」
「競争に勝つためには人の倍働け!」
彼らは、入社時から“会社人間”として仕事に打ち込んで管理職になっていることが多いものです。こうした言葉は、モーレツ課長のこれまでの経験から発せられています。

モーレツ課長の本音はこうです。
「他の人よりも頑張ったからから課長になれた」
「モーレツに働いて何が悪い?」
「ワークライフバランスなんて考えていたら、業績は伸びない」

かく言う私も、働けば働くほど成果が上がったバブル時代を経験しています。順調に業績が上がり、それに伴って給料も上がり、やりがいも感じていました。
ところが今は、モーレツに働けば働くほど、逆に生産性が落ちる時代。サービス残業や行き過ぎた長時間労働は、働く人にとって深刻なストレスとなり、モチベーションを低下させます。

モーレツ課長がこうした檄を飛ばせば飛ばすほど、部下は「早く帰れそうにないな」「無茶な仕事を振られそうだから近寄らないでおこう」と避けていきます。行き過ぎると不満が離職につながる、あるいは精神疾患を発症し仕事を続けられなくなるというケースが発生するかもしれません。離職の増加は、採用・育成コストのムダになるだけではなく、人手不足によるサービスの低下、社員のモチベーションの低下から、生産性や業績の悪化を招きます。

定時に帰っても趣味がない、家庭に居場所もないモーレツ課長の悲哀

モーレツ課長がモーレツに働く理由がもう一つあります。仕事を早く切り上げて自分の時間ができたとしても、打ち込める趣味がない。また、上司や部下、会社の同僚と飲みに行くことはあっても、仕事を離れて学生時代の友人や他社の知り合いとつきあうことは、ほとんどありません。さらに、定時で家に帰っても、家族との会話がない。つまり、これまで私生活を犠牲にして仕事一筋で頑張ってきたので、仕事のほかにやること、やりたいことがないのです。
モーレツ課長にとっては、職場がもっとも居心地の良い場所です。長時間労働の末路は寂しい私生活……。モーレツに働くことで寂しさを紛らわせているのかもしれません。

「残業モーレツ課長」から「定時モーレツ課長」へ意識改革

最近、政府や経済界は、社員の健康を大切にすることで会社の収益性を高める「健康経営」を提唱しています。今後、経営者や人事は、過重労働による労災を防止するだけではなく、社員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を図るために、「働き方改革」や「健康経営」に対応していかなければいけません。
もちろん、モーレツに働くことは悪いことではありません。問題は、ムダな残業と非効率な仕事によって長時間労働になっていることです。モーレツ課長がはびこる職場は、社員も会社もどんどん疲弊していきます。そうならないために、モーレツ課長を教育し、全社で仕組みをつくって働き方改革を進める必要があります。
まずは「ムダ、非効率な長時間労働は悪である」という考え方を徹底することです。そのためには「ムダな残業をしている人、非効率な仕事をしている人は評価を下げ、就業時間内に成果を上げ生産性を向上させた人は良い評価をつける」評価制度に変更することです。つまり、「残業モーレツ課長」を評価するのではなく、「定時モーレツ課長」を評価する評価制度が必要です。

「働き方改革」をすすめるスキル研修、実務研修を実施する

生産性を上げるための方法としては、「いかに働きやすい職場をつくるか」「時間をどのように使うか」「いかに周りとコミュニケーションをとって協力するか」「いかに業務改善を進めるか」が重要なポイントになってきます。
そのための社員教育として、全社員に対する、ワークライフバランス研修、タイムマネジメント研修、アサーション研修、ストレスマネジメント研修、業務改善研修などがあげられます。管理職に対しては、チームビルディング研修、健康経営研修を実施することをおすすめします。
研修では、知識を一方的に教えるのではなく、得た知識を自分の仕事に活用し、受講生に「定時に帰り、成果を倍にするための方法」を具体的に出してもらいます。そして最後に、管理職として取り組むことをコミットメントさせることで、どんどん意識と行動が変わり、成果が変わってきます。そうすることで、モーレツ課長も自分の考えが時代遅れであり、ムダな残業や非効率な仕事を排除して「定時モーレツ課長」に変わる必要があると気づくでしょう。

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茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)。

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