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競馬の最終レースは本命に賭けるのが「得」?

2017年04月27日 公開

和田秀樹 (精神科医)

競馬

「損」と「得」の心理学

競馬の最終レースは本命に賭けるのが「得」

心理学の立場から言うと、「競馬の最終レースは、本命に賭けるほうが得」という法則のようなものがあります。

たとえば、一日に12レースあるとすると、第11レースまでに儲かっている人はあまりいません。負けている人たちは、「今日の負けを最後のレースで取り返したい」と思って、大穴狙いをしたくなります。

その結果、最終レースでは、本命の馬のオッズ(予想配当率)が上がります。本来は2倍の馬が、3倍、4倍になったりします。そうすると、本命の馬が勝ったときに、より多くのお金を得ることができます。

確率的に見ると、かなりの「得」です。これは、人間の心理特性によって起こる現象です。

人間は、「得の局面」ではリスク回避志向になり、「損の局面」では、リスク追求志向になります。

第11レースまでで儲かった人は、「得」をした人です。「これだけ儲かったんだから、最後に変な馬に賭けて利益を失いたくない。堅い馬に賭けよう」とリスク回避志向になります。

一方、第11レースまでに「損」をした人は、「最後に、一発逆転で取り返したい」と思って、リスク追求志向になり、大穴を狙います。

競馬の場合、掛け金の一定割合が主催者に入るシステムですから、第11レースまでに「得」をした人と「損」をした人を比べてみると、「損」をした人のほうが圧倒的に多くいます。リスク追求型の人が多くなるために、本命馬のオッズが上がるのです。

第11レースまでに「得」をした人は、堅い本命馬に賭けて、さらに「得」をする可能性があります。

もともと、ギャンブルというのは「損」をする人の多いゲームです︒たとえば、100人が集まって、一人100円ずつ出して、勝った人一人が全部持っていくゲームは、掛け金100円で1万円を手にできる可能性があります︒「1万円をもらえるのなら、100円出してもいい」という人は多いはずです。

100人のうち50人が勝者となるゲームの場合は、勝っても200円にしかなりません。「200円もらっても仕方がない」と思う人は少なくないでしょう。ギャンブル性が低く、魅力がないので、参加者が集まらないかもしれません。

ギャンブルが面白いのは、少ない元手で高額を手に入れられる可能性があるからです。裏を返せば、損をする人がたくさんいるギャンブルほど、面白いギャンブルということになります︒

損をした大量の人は、どんどんリスク追求志向になります。損に損を重ねる人が続出して、ギャンブルとしてはものすごく盛り上がります。

主催者にとっては喜ばしいことでしょうが、個人としては、射幸性の高いギャンブルは、ギャンブル依存のリスクを高めることになります。

 

※本書は和田秀樹著『「損」を恐れるから失敗する』(PHP新書)より、一部を抜粋編集したものです。
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著者紹介

和田秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

1960年、大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。著書に、『感情的にならない本』『自分は自分 人は人』(以上、新講社)、『不安にならない技術』(宝島社)、『心と向き合う臨床心理学』(朝日新聞出版)、『医学部にとにかく受かるための「要領」がわかる本』『すぐに、人間関係がラクになる本』(以上、PHP研究所)、『老人性うつ』『「がまん」するから老化する』(以上、PHP新書)、『うつ病は軽症のうちに治す!』『「思考の老化」をどう防ぐか』(以上、PHP文庫)など多数。

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