ホーム » 社会 » トランプはレイシストなのか?

トランプはレイシストなのか?

2017年09月15日 公開

【特別対談】倉山満・ケント・ギルバート・ 江崎道朗

ケントギルバート、倉山満、江崎道朗

アメリカも日本もメディアは同じ?

倉山 最近、トランプ大統領が「Ku Klux Klan(KKK=クー・クラックス・クラン、白人至上主義団体)」を支持したという信じがたいニュースが非常に話題になりました。ケントさんは8月にアメリカに戻られていたそうですが、このニュースをどうご覧になりましたか。

ケント そのニュースは全くの大嘘です。今回の報道は、8月12日にバージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者団体などと反対派の衝突について、トランプ大統領が出した声明が元となっています。しかし、実際には彼はその声明の中で、KKKや白人至上主義団体、ネオナチを全面的に否定するメッセージを出しているのです。しかし、同時に彼は「しかし、反対派側にも責任があった」ともいった。そこをアメリカの左翼メディアがことさらに取り上げて「トランプはKKKを支持している」と騒いでいる、というのが今回の騒動の真相です。
 実際、FOXテレビなどを見ていると、トランプは10年前から「KKKを支持しているのではないか」と指摘されて、そのたびに否定している。そういう映像がずらっと並ぶんです。KKKのリーダーが大統領選挙でトランプの応援をしたときにも、トランプは「誰、その人?」という言い方をしていました(笑)。関係を否定しているのに、アメリカの左翼メディアは、しつこく「KKKを支持している」と言い立てて、トランプ降ろしに必死になっているのです。日本の加計学園報道と似ているかもしれません。
 しかし、トランプが「反対派側にも責任があった」というのは、そんなにおかしな意見でしょうか。そもそも今回のシャーロッツビルでの衝突は、リー将軍像の撤去に抗議するデモが発端でした。そのデモを行なった人たちが白人至上主義者だと非難されているわけですが、彼らの中には、白人至上主義などではなく、純粋に文化として「リー将軍の像を残そう」と主張しているだけの人もいたのです。しかし、メディアや反対派は、そういう人たちも全てまとめて白人至上主義者だとしてしまっている。これはあまりにも雑な認識です。
 また、リー将軍像の撤去に抗議する人たちは、事前にデモの申請をして許可を取っていました。一方で反対派の左派は許可を取らずにあの場に集まっていた。無許可でバットやヘルメットを用意して、暴力を振るいに来ているわけです。それでも「反対派には責任が一切なかった」といえるのでしょうか。
 本当は、市が両者を分けてデモさせるなど、コントロールをしっかり行なうべきでした。市当局もそうしようとしていたようですが、裁判所が認めなかった。結局、「警官が死んではいけない」という判断で、市は「警官は手を出すな」という命令を出したそうです。それで、死傷者が出るような騒ぎになってしまった。

江崎 あそこはリベラルに乗っ取られている地域でしょう。日本でいうところの革新自治体のようなもので、政治的にも非常におかしいところですね。

ケント トランプ大統領が謝ればいいじゃないかという人がいますが、トランプは謝らない。そこが素晴らしいと私は思っています。アメリカには「ネバー・トランパーズ(トランプを何が何でも支持しない人)」もいますが、一方で、「オールウェイズ・トランパーズ(トランプを常に支持する人)」もいる。このあたりは、日本では報道されませんが、「オールウェイズ・トランパーズ」は、彼が方針をぐらつかせないところを支持しているので、トランプはこのままの姿勢で行けばいいと思いますけどね。

倉山 アメリカでレイシストといえば、それだけで社会的に抹殺されかねないくらい恐ろしいレッテル貼りですよね。

ケント 究極のレッテル貼りです。「アメリカの南北戦争で南部に属していた地域が掲げていた南部旗や、南軍の将兵の銅像を、全部取り除こう」という運動が始まったのは、2015年にサウスカロライナ州の教会で黒人9人が射殺された事件がきっかけでした。それがプリンストン大学などに波及し、さらに広がっています。これに対して、トランプは「どこまでやるのか」といっています。つまり大事なのは、いったいどこまでをレイシストとして認定し、排除するのかの線引きなのです。
 いってしまえば、ワシントンもジェファーソンも当時は奴隷を持っていたわけです。だからといって、彼らをレイシストだと認定して、彼らの像なども同じように撤去してしまうのか。ワシントン記念塔なども同じように撤去してしまうのか。どこまでやるの? ということです。
 本当は、究極のレイシストは民主党に多かった。かつて民主党の指導者的政治家の中に、人種差別運動に関わっていた人も数多くいました。しかし、歴史的にさかのぼって、現在の基準でレイシストを探してしまうと、正直、キリがありません。当時、奴隷制度は合法だったということを考えなければいけません。過去の人たちを、現在の基準で断罪できるのか。当時の文化まで、現在の基準に照らし、悪者して全て排除してしまって良いのか、中国の文化大革命や現在中東でISが行なっているようなことをしてしまって良いのかということです。

江崎 ISが仏像を破壊しているのと同じですよね。つまるところ文明の破壊だといえるでしょう。トランプは、アメリカのリベラル、左翼がこういった活動を徹底して行なっていることに対して、「本当にそれでいいのか」と問いかけているにすぎない。しかし左翼メディアがそれを人種差別だと過剰に煽り立て、それが日本でもそのまま報道されている。これは本当に由々しき事態です。

ケント 日本のメディアは、アメリカの左翼メディアの報道を、そのまま垂れ流しているだけですから。その背景も説明しませんし、反対派の意見も紹介しません。
 アメリカのほとんどのチャンネルがリベラルで、アンチ・トランプのコメンテーターばかりを並べて、トランプ批判を繰り広げる。日本のテレビ番組のコメンテーターが全員一致で「安倍さんが悪い」というのと同じです。一方、FOXだけは、左も出せば、右も出す。けっこう騒がしいですよ、あのチャンネルは。

倉山 日本でいうと、読売テレビの「そこまで言って委員会NP」のような。

江崎 そうそう、そんな感じです(笑)。
 

チャンネルくらら(2017年8月27日配信)より
https://www.youtube.com/watch?v=6fTiShVMko4

iyashi

関連記事

編集部のおすすめ

江崎道朗 日本を大戦に追い込んだコミンテルンの謀略

江崎道朗(評論家)

日本は素晴らしい歴史のある国なのにどこかヘン

ケント・ギルバート

倉山満 やっても意味がない改憲

倉山 満(憲政史家)


WEB特別企画<PR>

WEB連載

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

WEB連載

iyashi
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

ホーム » 社会 » トランプはレイシストなのか?