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カギは「人気のアプリ」と「行列の店」―将来への不安が消えるビジネススキル

三坂健(株式会社HRインスティテュートシニアコンサルタント)

2018年09月03日 公開 2023年02月07日 更新

 

新しいものにはとりあえず飛びついてみる

ざっくりと目標をたてることに加え、変化に敏感になることも大切です。

有名なダーウィンの『種の起源』の一節にこうあります。

 最後に生き残るのは
 もっとも強いものでもなく
 もっとも賢いものでもない。
 変化できるものである。

VUCA時代に求められるマインドもまさに同じで、状況の変化に応じて自分も変化するということが必要ではないでしょうか。

そのためには常にアンテナを張っておき、外部の変化に敏感でなければダメだということです。

そこでは「新しいもの」が好きかどうかということが大事になってきます。

例えば“メルカリ”が流行っているのであれば自分でもちょっとやってみるとか、街で行列のできているお店があったら並んでみるとか、何か新しい動きがあったらフットワーク軽く触れてみるということです。

どなたにも興味を向ける対象があると思います。そうした対象に、尻込みするのではなく積極的に関わりをつくっていく。すると最初はひとつの「点」の知識や経験にすぎなかったものが次第につながって「線」になり、やがて人格やキャリアとしての「面」になっていくことを実感できるようになります。

昔、子どもの頃にやったであろう「点つなぎ」を覚えていますか? 点と点をつないでいくと線になり、やがて絵柄が姿を現すことにワクワクした方も多いでしょう。

ロードマップを漠然と描きながら「点」を重ねていく、というのはこうしたワクワクする活動そのものだということです。

 

不透明な時代をどう生きるか、“志”を抱く

さて、ここまで述べてきた「変化に対応する」ということは、ロードマップを立てる上での両輪の片側と言えます。

もうひとつの車輪、それは「志」です。

志がなく変化にただ対応するだけでは、目まぐるしく変わる目先の様々な情報に惑わされてしまいます。

変化に視線は送りつつも、一本筋が通っていたほうが、自分なりの目標にたどり着きやすくなるのではないでしょうか。

では志とは何でしょうか。「夢」との違いで考えると定義がしやすいです。

「自分がこうなりたい」というのは夢で、「誰かのために何かをしてあげたい」というのが志。

つまり志には、その対象となる相手がいるということです。

「誰かのために何かをする」ということは、その対象を拡大していけば「社会のために」「世の中のために」ということになりますし、それはつまり何らかの事業につながる可能性も秘めています。

志は明確な形があるものではなく、大まかな方向性を示すものです。

ですので、いつまでに何をどうするという具体性を伴うものではありません。

一方で、目標は一定の年数で達成することを念頭に置くものです。

目標は状況に応じて変わるかもしれないのに対して、志にはあまりブレが生じないのではないでしょうか。

「ブレない志」と「変化に即応」という2つの車輪を回すことで、目標を描き、その目標を重ねたロードマップを考えていきましょう。

繰り返しますが目まぐるしく変わる状況においては、目標の置き方もこれまでの方法が正しい選択というわけではありません。

自分を取り巻く状況の変化を意識しつつ、自分なりの目標を設定する。そしてひとつひとつの点を重ねていく。

ビジネススキルもこの点のひとつになります。

そのビジネススキルを習得し、実践していくための具体的な方法については、改めてご紹介していきたいと思います。

著者紹介

三坂健(みさかけん)

(株)HRインスティテュート 常務取締役シニアコンサルタント

慶應義塾大学経済学部卒業。安田火災海上保険株式会社(現・損害保険ジャパン日本興亜株式会社)にて法人営業等に携わる。同社退社後、「主体性を挽き出す」というミッションを軸に大手企業を中心に人財育成を手掛けるHRインスティテュートに参画。経営戦略立案、人事制度設計、新規事業開発、人財育成トレーニングを中心に経営コンサルタントとして活動している。また、自治体の教育委員会を通し教員のスキル開発なども行っている。主な執筆書籍に『印象で得する人、損する人』『30代までに身につけておきたい課題解決の技術』(共にPHP研究所)がある。

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