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40代から始まる「大人の声変わり」 声の若さは"鼻腔"で決まる

鳥山真翔(ボイストレーナー)

2019年03月14日 公開 2023年02月01日 更新

声帯は変わらなくても、発声法で声は変わる

「行動が先で意識は後」という脳の習性を利用し、自分の声を意図的に操作し、声によって脳をコントロールすることができたら、ネガティブになっている気持ちをポジティブに転換することもできるし、自分のテンションを上げることもできます。 

もちろん、生まれた持った声帯を変えることはできません。でも、発声の方法を変えれば、声の響きが変わり、声のトーンや声の質も変わってくるのです。

声は声帯という2枚の弁が閉じたり開いたりすることで生まれますが、喉仏の中にある小さな声帯で生まれた声という音を響かせるためには、空洞が必要です。

たとえば太鼓も打面とスティックだけでは音を響かせることはできません。打面の下に空洞部分があるからこそ、打面で生まれた音が振動して大きく響くのです。

声を響かせる場所は、体の中にある空洞。気管、口の中も空洞ですが、さらに大きな空洞があります。

それは、目と鼻の後ろ側にある“鼻腔”です。この体の中で最大の空洞、鼻腔で声を振動させると、声は艶やかに響きます。

 

加齢による心の浮き沈みも声でコントロール

思春期の男子の変声期はよく知られていますが、実は大人にも変声期があるのをご存じでしょうか。

ホルモンバランスの変化や声帯の筋肉の衰えによって、音程や音質が変わるのが大人の声変わりです。女性の場合は低くかすれやすくなり、男性の場合は声が細く高くなる傾向があります。

「そういえば最近声が低くなった」「話しているとすぐに喉が痛くなるようになった」と感じたら、それは大人の変声期によるものといえるでしょう。男女ともに更年期を迎える方々に多くみられるようです。

ちなみに更年期の症状の一つとして、気持ちが不安定になるといったことが挙げられていますが、この声の変化も少なからず関係しているのではないかと考えられます。

ですから、気持ちが塞ぎこむのは更年期のせいとあきらめずに、意図的に声を明るくするという方法で、間接的に気持ちの部分に働きかけてほしいと思います。

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