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なりたい自分を実現する「課題解決力」

稲垣一郎(株式会社HRインスティテュート取締役・シニアコンサルタント)

2019年09月24日 公開 2022年07月22日 更新

なりたい自分を実現する「課題解決力」

<<「課題解決」は、企業のさまざまな現場で日々活用されている基本的なビジネススキル。しかし課題解決プロセスは、ビジネスだけでなく個人の人生について考える上でも役に立つ、非常に汎用性の高いスキルだと稲垣一郎氏は語る。

基本的な課題解決プロセスは、「問題発見→原因探索→課題形成→解決策の設定・実行」という流れをたどる。これを活用することで、5年後、10年後にこうなっていたいという「なりたい自分」を実現するために何をすればいいのかを洗い出すことが可能なのだ。

では実際にどのように考え、どういった点に気をつければよいのだろうか。忙しい毎日で、わざわざ時間を割いて自分の未来について考える機会はあまりないという方こそやってみて頂きたい、「なりたい自分」を実現する思考法を紹介する。

大手企業を中心にビジネススキルを軸とした人財育成を手掛けるHRインスティテュートのコンサルタントによる連続講座「人生100年時代を生き抜くためのビジネススキル講座」より、「第7回 100年時代を生き抜く課題解決力ーー物事を問題と捉えることがすべてではない」を紹介する>>

※本稿は、2018年8月に天狼院書店「STYLE for Biz」で実施された講座を基に構成されたものです。
 

人生の課題を解決する

課題解決といえば、ビジネスのあらゆる現場において日常的に活用されている基本中の基本のスキルです。

「仕事とはすなわち課題解決である」と言っても過言ではありません。
とはいえ「課題」はビジネスの世界にとどまらず、私たちの人生の中で、さらには日常生活においても、日々さまざまな形で生じます。

つまりビジネスの現場でよく使われている課題解決手法は、実は個人の人生を考える上でも非常に有益なものなのです。

今回は、ビジネススキルである課題解決手法を、個人の人生、生き方に活用するポイントについて見ていきたいと思います。

課題解決を大別すると、サーキュレーション(循環)型のアプローチと垂直・直線的に捉えるアプローチのふたつに分けられます。

サーキュレーション(循環)型アプローチとは、いろいろな物事が循環的に起こっている場合に有効な手法です。例えば下記のようなケースです。

【1】Aさんはあまり体力がない
   ↓
【2】体力がないので、あまり運動をしない
   ↓
【3】運動をしないので筋力や免疫力が衰える
   ↓
【4】病気に罹りやすくなり、罹病した暁にはさらに体力が落ちる
   ↓
【5】【1】に戻る

わかりやすさを重視して非常に単純化した例を挙げましたが、こうした状況は一般的に悪循環と言われます。

こうした状況の問題を解決するにあたって大切なのは、「解決の糸口をどこに見出すのか」ということです。

上記のケースで言えば、循環をイメージしたうえでそれを断ち切るポイントを明確にします。上記の例でいえば「まずは運動をしたらいいのではないか?」といったことになります。

毎日の生活は、仕事にプライベートにいろいろな人間関係も絡み合って、意外と複雑なものです。そのため、現実にはどこに手をつけるのが最も有効なのかがわかりにくい場合も少なくありません。

とはいえ、まずはひとつひとつの事象、現象の因果関係を見える化してみることが、解決に向けての第一歩と言えます。

こういったケースにおける課題解決を、サーキュレーション型アプローチと呼びます。

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「問題」と「課題」は異なるもの

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