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「みんなで筋肉体操」直伝!年齢が隠せない部位の“鍛え方”

谷本道哉(近畿大学生物理工学部准教授)

2019年10月01日 公開 2022年09月07日 更新

「みんなで筋肉体操」直伝!年齢が隠せない部位の“鍛え方”


(写真:徳永徹)

2018年から2019年にかけて3シーズンが放送された、NHKの5分間番組である『みんなで筋肉体操』。「筋肉は裏切らない!」などのインパクトある言葉が話題となり、筋トレブームを巻き起こした。

この「みんなで筋肉体操」で筋肉指導として筋トレのメニュー開発と指導を担当した谷本道哉氏に、筋肉体操を活用した中高年の筋トレのポイントなどをうかがった。

※本記事は、NHK「みんなで筋肉体操」制作班/谷本道哉:著『みんなで筋肉体操』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。

 

腿前・お尻・腸腰筋が加齢で落ちるBIG3

加齢によって筋肉は萎縮しますが、その進行には部位差があります。筋肉が落ちやすい部位と落ちにくい部位があるのです。

加齢で萎縮が強く進む部位の代表として、太腿前の「大腿四頭筋」、お尻の「大殿筋」、下腹の腸の裏側にある足を前に振り出す「腸腰筋」があげられます。腿裏の「ハムストリング」や力こぶの「上腕二頭筋」は加齢でそれほど落ちません。

体を支える生活機能に直結する重要な筋肉ほど、残念ながら落ちやすいのです。ですから100歳まで元気に過ごしたいなら、この辺りを特に重点的に鍛えておく必要があります。

腿前とお尻には断然スクワットが効果的です。腸腰筋には椅子に座って足を上げ下げするレッグレイズが有効です。

腸腰筋の萎縮は歩行速度の低下と非常に強く関係します。足の振り出しが弱くなり、歩幅が狭まります。また、振り出しが弱くなると、膝がたたまれずにすり足になって躓きやすくなります。年を取ると、部屋のコードに躓く、ということが起こってくるのはこのためです。

なお、100歳まで元気で歩けるように「毎日歩く」では、実は十分ではありません。それももちろんとても良いことなのですが、加齢による筋萎縮は老化現象。そう簡単に太刀打ちできるものではありません。やはり「しっかり筋トレ」が必要です。

 

お尻は「年齢の出る部位」。もちろん筋トレで変えられます

筋トレの動機として「カッコいい体になりたい」というのがあると思います。どの筋肉も多かれ少なかれ見た目に影響しますが、特に影響の強い部位といえばお尻。

女性の間で注目の「美尻トレ」で鍛えられる、お尻の「大殿筋」はその代表と言えます。お尻は男性も無関係ではありません。ジーパンやスラックスの着こなしがずいぶん変わります。

お尻の筋肉は加齢で落ちやすく、シルエットに強く影響する「年齢の出る部位」の代表です。丸みのある「桃」の形から、丸みを失って垂れてくると四角い「ピーマン」に、さらに両頬が削げ落ちてくると「ムンクの叫び」(笑)へと変わっていきます。

スクワットやヒップリフトで鍛えてお尻年齢を若くしましょう。スクワットは前傾してお尻を後ろに突き出すと特にお尻に効きます。しっかり深くしゃがんでください。ヒップリフトは寝ころんで膝を立ててお尻を上げ下げします。

上半身では分厚い胸板を作る「大胸筋」、逆三角形のシルエットを作る「広背筋」や両肩の「三角筋」が男性のカッコイイ体の基本となります。女性もメリハリが効くのでかっこよくなります。

見過ごされがちですが、ピシッと良い姿勢をキープできることも見た目のかっこよさにかなり重要です。しっかり筋肉がついていても猫背の姿勢では良いスタイルに見えません。肩こり・腰痛予防という意味でも大事ですよ。背すじを伸ばした良い姿勢を意識してくださいね。

それから、見た目ももちろん大事ですが、「健康で元気」が一番大事。先に触れた、加齢で衰えやすい筋肉を特にしっかり鍛えてください。

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筋トレの時間は夕方~夜が筋力的に理想だが、できるとき、やりたいときでOK

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