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生き方

会社に「空気読みすぎ」の若者が増えてしまった理由  「機嫌がいい人」に学ぶストレス予防法

有川真由美(作家/写真家)

2020年02月27日 公開 2022年11月10日 更新

 

海外と比べると日本人は真面目、だからこそストレスも貯め込みやすい

有川真由美

── 有川先生の本は働く人に向けたものが多いですよね。

本を書くことになったと周りに話すと、「ビジネス書は成功者が書くものだ。あなたみたいな中途半端な人間の本なんて誰が読むの?」と何人かから言われました。確かにそれは私も思いました。

でも、働いている人の思っていることやもがいている人の悩みなら私でも理解できます。それなら自分の経験も役立つのではないか?と思ったんです。

逆に、成功者や専門家でないからこそ書ける内容を書いてきました。職場で隣に座っている人から励ましてもらっている雰囲気の本を目指しています(笑)。

そういうわけで、私は「働く人の応援団」として、働いている人たちを喜ばせられる本を書こうと思っています。

── 仕事だけでなく、旅でいろんな場所に行かれるとも伺いました。海外を旅していてわかる日本人の特徴は見えてきていますか?

旅ももちろんですが、趣味が引っ越しなんですよ(笑)。国内外問わずいろいろな場所に住んできました。二重生活もしました。地域によって考え方や価値観が変わるので、それが面白いですよね。しばらくは旅するように生きていきたいですね。

外国人に比べると日本人は真面目です。「自分は真面目じゃない」と言ってる人も結構、真面目です。それが表と出るか裏と出るかで、生きづらさの一つに繋がってしまうと思うんですよね。

裏に出てしまうと、ストレスがたまりやすくなってしまって、しかもそれを一人で抱えてしまう人が多いです。人間関係など会社の構造や、通勤など社会構造的に見ても、ストレスがたまりやすいんじゃないかとも感じます。

 

人との繋がりが希薄な中、ストレスを一人で抱える人が多い

── 今回の本は「機嫌がいい人」がテーマですが、現代は機嫌が悪い人や機嫌が悪くなることが増えていると思いますか?

現代は人と人との繋がりが希薄になってきている気がしています。だからこそストレスを一人で抱えている人が多いんですよね。昔は地域、親族、会社などに“いい意味”の監視社会があって、生きる安心感を与えてくれました。

何かがあっても誰かが見ていてくれる、怒ってくれるという安心感ですね。自分を肯定してくれる場所、自分を出せる場所が誰にもかつてはあったはず。ですが、今はそういった安心できる社会が少なくなったように思います。

今は「個人化」が強い時代。一人というのは楽である一方、シンドイことも多い。「楽」と「リスク」は裏表というわけですね。そんな時代の流れの中で、ストレスを抱える人が増え、しかもそれを一人で抱える人が増えているんじゃないでしょうか。

── 先生は機嫌が悪くならないように具体的に何をされていますか?

この本に書いてあることは、大体はやるようにしていますが、ものすごくカンタンなことでいえば、毎朝起きてすぐにベッドを整えるようにしています。

シーツのしわを伸ばして、布団をふわりとさせ、枕の形を直す。たった1~2分でできることですが、これだけで出かける時も帰ってきてからも気分がよくなります。

たとえ小さな習慣でも毎日続けることで達成感が生まれます。そういった小さなきっかけで他のいろんなことも上手くいくようになるものだと思うんです。

「機嫌がいい」というのは自分で自分を幸せにできているということ。それはイコール自信に繋がるものです。

日々のイライラに対処することも大事ですが、小さいことでもいいから気持ちのいいことを習慣化させることでリスクヘッジしましょう。カンタンなことから始めるだけで、普段からストレス予防ができるんです。

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とんでもない上司はどこにでもいる

著者紹介

フライヤー(flier)

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