1. PHPオンライン
  2. マネー
  3. 感染症ショックで加速!? 「史上最悪の大量閉店」に追い込まれたアメリカ小売店

マネー

感染症ショックで加速!? 「史上最悪の大量閉店」に追い込まれたアメリカ小売店

石塚しのぶ(日米間ビジネス・コンサルタント/Dyna-Search, Inc.代表)

2020年03月23日 公開 2023年01月25日 更新

 

小売業界にとどまらない。ビジネスの構造を根底から覆す、Eコマースビジネスの猛追

米国史上最悪の小売店舗大量閉店を引き起こしたEコマースとは、どれほど米国社会で生活の中に浸透しているのか。

アメリカの産業構造を激変させた代表的な企業として、アマゾン、エアビーアンドビー、ウーバー、フェイスブックの4社を例に、どれほど多大なインパクトを与えているのか、見ていきたい。

【1:アマゾン】

1994年に「地球最大のブックストア」というコンセプトで設立されたが、本当に「地球最大のストア」となり、現在は「エブリシング・ストア(何でも売っているストア)」になっている。

ウェブストアにとどまらず、2017年全米で470店舗超を展開するスーパーマーケットのホール・フーズ・マーケットを買収したのをきっかけに、実店舗小売業への拡張を進めている。

2018年1月にはレジでの会計が不要な「アマゾン・ゴー」を公開し、着々と店舗数を増やしている。

・アメリカのネット通販購買の約半分がアマゾンを通じて行われる

・アメリカの世帯の半数以上がアマゾン・プライムの会員である

・アメリカの生活者の55%が、「商品検索」をアマゾンから始める

 

【2:エアビーアンドビー】

旅行者など「短期で部屋を借りたい人」と、「空き部屋を貸したい人」のマッチング・プラットフォーム。

一軒家やマンションの一室を「間借り」できたり、一軒丸ごと借りられるだけでなく、城やツリーハウスなど、従来のチェーンホテルにはない多様な選択肢から宿泊先を選べる。

近年では空き部屋のマッチングにとどまらず、各都市に住む「ローカル・ガイド」が、自分の空き時間にツアーを企画・販売できるサービスも提供している。

・191カ国8万1000都市で運営(国連加盟国数は193カ国とほぼ同じ)

・エアビーアンドビーのリスティング件数(宿泊施設数)は500万件超。これは、世界の五大ホテル・ブランドの客室数をすべて足したものより多い

・一日平均宿泊客数は200万人以上

 

【3:ウーバー】

ライド・シェアサービスを提供し、「車両を持たずして世界最大のタクシー業者」となった企業。自家用車を使って空き時間にドライバーの仕事ができる仕組みを構築した。

ニューヨーク市では2015年から2018年までの3年間で、ウーバーをはじめとしたライド・シェアサービスの乗車件数は4倍に増加。

これにより、「タクシー業界」や「レンタカー業界」など、既存産業は破壊的な影響を受け、タクシーの乗車件数は30%減少。

ウーバーの年間収益は110億ドルを超えており、評価額760億ドルという史上最大のスタートアップ企業となった。

ライド・シェアサービスにとどまらず、レストラン宅配サービス(Uber Eats)、医療施設への送迎サービス(Uber Health)など、「移動」をテーマとしたサービスの拡大が想定されている。

・65カ国600都市で運営。300万人の登録ドライバー。7500万人のサービス利用者

・毎日1500万件の「トリップ(顧客を目的地まで連れていくこと)」が遂行される

・競合のリフトと共に、アメリカのビジネス・トラベル市場(地上輸送)の70%を掌握

 

【4:フェイスブック】

ハーバード大学内のオンライン・ディレクトリーとして立ち上げられ、1日平均およそ15億人のユーザーがログインする、ウェブ上で最も絶大な影響力を持つサイトのひとつ。

ユーザーによって日々投稿される情報は、膨大な個人情報でもある。それらはフェイスブックにとっては「商品」であり、「売り物」にもなっている。

個々の顧客について密接につながり、得られた情報をデータ化することで「コマース」「エンターテインメント」「通信」などの複数のカテゴリーを横断して、市場を制覇する可能性を存分に秘めている。

・アメリカの成人の68%が利用

・世界規模で、約15億人が毎日フェイスブックにログインする

・1分毎に、29万3000件の投稿、51万件のコメント、13万6000件の写真がアップロードされる

 

いずれも10年前には想像もできなかった、新たなビジネスモデルばかりである。また、利用者の数もアメリカの成人の半数以上というように、桁外れの多さとなっている。

今や「米国のライフライン」ともいっていいほど、生活になくてはならないサービスになっていることがわかる。

次のページ
米国のライフラインとなった、企業4社の理由

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×