1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. じつは年齢は関係ない...「脳の老化が進みやすい人」の特徴

くらし

じつは年齢は関係ない...「脳の老化が進みやすい人」の特徴

加藤俊徳(脳内科医/医学博士)

2022年01月07日 公開 2023年09月05日 更新

 

脳の老化防止には「赤ちゃん」を見習え⁉

では、脳を成長させるにはどうすればいいのでしょうか。

赤ちゃんの成長を考えると、私たちが脳の成長のために何をすべきかが見えてきます。

生まれたばかりの赤ちゃんには、皮膚感覚しかありません。手足を動かすことで、脳内の運動系脳番地と感覚系脳番地が育っていきます。「脳番地」とは、同じ役割を担う脳細胞の集団のことで、私が名づけました。

また、自分の泣く声や、周りの音を聞いたりすることで、赤ちゃんの脳内では聴覚系脳番地が育ちます。目を開けて光を見ることで、視覚系脳番地が育ちます。つまり、身体を動かし、見たり聞いたりして情報を取り込むことで、それらに対応する脳番地が刺激され、脳が成長していくのです。

これを私たちに置き換えると、やはり、動いて見たり聞いたりしながら、新しい情報に触れることが、脳の老化防止には重要だろうと思います。

一番いいのは、「人と会うこと」。オンラインよりも、身体を動かして直接会いに行き、自分の目と耳で確かめるのがいいですね。

私には40歳離れた20歳の子供がいますが、自分とは違う世代やバックグラウンドの人に会って、彼らが何を見て、何を考えているのかを観察すると、学びが多くあります。

他にも、仕事で知り合った人の意見や物の見方に耳を傾けてみると、自分が思いもしなかったことに気づきます。人との交流や人間観察は、脳を衰えさせないための最適な手段なのです。

 

日常生活のマンネリを打破する脳の使い方

情報の入力器官として、視覚や聴覚だけでなく、味覚、触覚、嗅覚などの五感を意識的に使ってみるのも、脳の活性化には効果的です。日常生活でできる、五感を使った脳番地の鍛え方をいくつかご紹介しましょう。

忙しいビジネスパーソンの中には、「手軽で時短になる」という理由から、コンビニ弁当を頻繁に利用する人も多いと思います。コンビニ弁当が悪いわけではありませんが、味がマンネリになると脳への刺激がなくなるので、たまには美味しいスイーツなどを買ってきて、味覚の変化によって気分が変わることを体感してみるといいでしょう。

私の趣味は、高級茶葉の飲み比べです。種類ごとに匂いが違うので、その時の気分で選んで、風味を楽しんでいます。少々値は張りますが、希少価値のある茶葉だと聞くと、味わって飲もうという気持ちになります。

マンネリになりがちな通勤時間も、いつもより1時間早く家を出たり、いつもとは違う駅から乗車するだけで、見える空の色や風景が違ってきます。これが視覚系脳番地への刺激になります。

いずれにしても、五感をフル活用した実体験を伴う経験を、日常生活の中で増やしていくことが、老いない脳を作るには大切です。

次のページ
「楽しくない」のは脳が動いていない証拠

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×