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生き方

「聞いてもないのにアドバイスしてくる人」が持つ支配欲の正体

石川幹人(明治大学教授)

2022年03月13日 公開 2022年06月02日 更新

 

アドバイスさんとどう付き合う?

まずは相手がどんな意図で情報を提供しているのかを読み取ってみましょう。上下関係を意識した行為であれば、「サルと同じようにマウンティングをしたい人」と思って、聞く姿勢だけは謙虚に見せておきましょう。

そういう人に対しては、自分を下に見せておいたほうがお得。その人の立場を脅かさなければ、有利な情報を気軽に入手できることも多いので、相手の特性をうまく利用してみましょう。

一方で、相手はマウンティングなど意識していないのに、自分は何を返したらいいのかわからずに息苦しくなってしまう人がいます。例えば、教わりっぱなしで相手に恩返しできないことに引け目を感じるのであれば、「丁寧なアドバイスをありがとう。私にも何かできることはある?」と確認するようにしてみてください。求められていることが具体的な情報や手伝いであれば気が楽になりますし、何も求めてこない場合はフラットな関係ということなので、負担に感じることはありません。

 

自分がアドバイスさんだったらどうする?

公平な集団にとって有益な情報を共有することは価値のあること。あなたが誰かに情報を開示すること自体はいいことです。ただし問題は、その教える行為によって、相手に別のものを要求している場合です。

例えば、情報を提供する代わりに、相手が自分にへりくだってくることや、味方になることを求めているような態度は、大抵の場合、相手に気づかれ、煙たがられています。「助言しているのに感謝の気持ちが足りない!」と思ってしまうようなら、周囲に接する態度を見直したほうがいいかもしれません。

集団において本当に頼りにされるのは、上下関係なしに気軽に教えてくれる人。あなたが誰かに物事を教えるときには優しさを失わずに、「尊敬されたい」「味方を作りたい」という感情を抑えてください。従うことを相手に求めずに、自分から積極的に何かを差し出せる人間になると、今よりも一目置かれる存在になれるでしょう。

 

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