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「自分は内向的」は思い込み? 本当の自分の性格がわかる10の質問

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年10月19日 公開 2022年11月11日 更新

 

性格はあなたの個性

「私は内向的だから、みんなの前でしゃべるのが苦手なんです」とか、「あの人は外向的だから、友だちが多い」などと言います。このように、内向的と外向的は、性格を表現する言葉として広く使われています。

スイス生まれの分析心理学者ユングは、基本的な生命力(心的エネルギー)の向けられた方向によって、性格を内向性と外向性の2つの類型に分けています。

内向性性格の人は、心的エネルギー(いわば、自分のおもな関心)が自分の内側(自分自身)に向けられています。これに対して、外向性性格の人は、心的エネルギーが外界の環境(周囲の出来事)に向けられていることになります。

ところで、「社交的で、他人と一緒に仕事をすることを好み、明るくて、決断力があり、自信のある」外向性の人と、「非社交的で無口、控えめで思慮深く、実行力には欠けるが粘り強い」内向性の人がいたとします。

多くの人は、どちらのタイプの人を理想的と考えるでしょうか。一般に、外向性が理想的な性格とみなされやすいことがわかっています。

「理想的な人物やリーダーにふさわしい人物を選んでもらう」という心理学の研究によると、「外向的な人は自分の性格と似た人物」を選び、「内向的な人は自分と似ていない性格の人物」を選びました。

つまり、外向性性格の人も内向性性格の人も、ともに外向性の人が望ましい性格の持ち主だと思っていることがわかりました。

このようなかたよった見方があるので、知人を紹介したり、自己紹介をするときには、「明るい、積極的、決断力がある」といった外向性性格の特徴を言い表す言葉をたくさん使うわけです。

また身上書などに自分の性格を書くときにも、外向性性格の特徴を書くことが多いようです。

 

行動パターンを変えれば性格も変わる?

多くの人が「外向性性格が望ましい性格である」と思っていることになると、内向性性格の人はがっくりしてしまうでしょう。内向性性格の人はどうすればいいのでしょう。

性格の本質的な部分を変えるのはかなり大変ですが、行動のパターンを変えることはできます。

たとえば、人の前で話をするのが苦手という人は、原稿を作って、繰り返しリハーサルをしておきます。そして「口下手でも一生懸命話せばわかってもらえる」と考えて、あえて人前で話すチャンスに挑戦することです。

誰でも「スピーチをする日の前の晩は眠れない」という体験をしますが、これを何度か繰り返しているうちに、人前でも堂々と話せるようになるはずです。そんな姿を見た人は、「あの人は外向性性格にちがいない」と考えるようになります。

同じように、人づきあいが苦手という人は、会合やパーティから逃げないで、"性格の修業"と考えて、積極的に参加するようにします。こうした訓練や慣れで、自分の性格が変化し、周りの人の見方も変わってくると思われます。

 

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