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「クリティカルシンキング」とは? 変化の時代に身に着けるメリット

佐々木裕子(株式会社チェンジウェーブ代表)

2022年08月24日 公開

 

クリティカルシンキングを勧める3つの理由

そもそも、なぜ「実践型クリティカルシンキング」が今求められているのでしょう?

(1)素早く結論を出すことができる
世の中の変化のスピードがとても速いこの時代。じっくり悩んで考えているうちに、事態は刻々と変わってしまいます。

世界には膨大な情報がありますが、それを全部集めて完ぺきに考えようとするどうなるでしょう?時間がかかりすぎて、結論を出したときには、もうその問題は解決しているかもしれません。

というわけで、クリティカルシンキングを使う1つめのメリットは、限られた時間、限られた情報で、その時点でベストだと自分が思える結論・成果が出せる確率が上がることです。

「限られた時間」。今日もたくさんの演習問題にチャレンジしてもらいますが、10分とか15分とかの短い時間で1本勝負で考えてもらいます。限られた短い時間でも、けっこういい線いくような考え方ができるなと感じてもらえればと思います。

「限られた情報」も、同じことですね。ネットサーフィンをし続けていると、日が暮れてしまう。ある程度の情報を集めたら、打ち止めにする。そのときに手元にある情報の中で仮説を立てられるのが大事なのです。

じっくり時間をかけた完ぺきな結論より、短い時間でざっくりと、筋のよいやり方で結論を出すほうが求められる時代なのです。

(2)経験値のない事柄でも判断できる
1つめの理由とも関連してきますが、変化が激しい世界では、まったく経験のない新しいことに取り組む場面が多くなります。

クリティカルシンキングの2つめのメリットは、必ずしも自分に経験値のない事柄・事象についても、自分の頭で考え、論理的な判断を行う力をつけられること。

自分で経験のあることって、けっこう予想できるし、大きくは外れないものです。でも、正解も前例もないのが当たり前の時代です。経験がないからできません、は通用しません。誰か教えてください、もダメです。

経験がなくても、その人が言っていることがほんとうに正しいのか、ほんとうにそれでよいのか、自分が責任を持って判断するためには、自分で考える力が必要です。

つまり、どんな状況であっても、どんなことに対しても、自分の頭で考える力を磨く手段のひとつが、クリティカルシンキングなのです。

(3)判断の根拠を説明できる
これからの時代は、同僚が外国人だったり、取引先が海外だったり、グローバル化が私たちの身近にぐっと迫ってきます。そこは言外にあるものをくんでもらって……というような阿吽の呼吸でビジネスを進めることは、だんだん難しくなりつつあります。

そもそも、何を目的にしているのか?何をやりたいと言っているのか?どんな人に対しても明快に、わかりやすく説明する必要があります。

クリティカルシンキングの3つめのメリットは、自分の下した判断の根拠について、他人に簡潔かつ論理的に説明できること。

異なる文化的、言語的背景を持っている人にも、わかりやすく、理解がブレないように説明することも正解のない時代を生き抜くために不可欠な要素なのです。

 

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