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ブランドづくりは、自分づくりから~コシノジュンコ

2017年06月13日 公開

マネジメント誌「衆知」

※本記事はマネジメント誌「衆知」2017年3・4月号の特集「最強のブランドを育てる」より、その一部を抜粋編集したものです。

 

世界で培った経験が「自分」をつくり上げる

「ブランドづくりは、自分づくりから」……世界に向けて斬新なファッションを送り続けるコシノ氏は、みずからのブランド力の源泉をこう語る。なぜ新しいことへチャレンジし続けるのか。なぜ常にファッション界の最前線に立ち続けることができるのか。自分のオリジナリティを求め続ける理由を聞いた。

取材・構成:坂田博史
写真撮影:永井 浩

 

ストーリーの違いがオリジナリティを生む

コシノジュンコ2011年のNHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」の主人公のモデルとなった、母の小篠綾子の影響を受け、私たち三姉妹はみんなファッション・デザイナーになりました。しかし、個性やファッション性、オリジナリティは、それぞれに全く違います。生まれ育った環境こそ同じですが、生きてきたストーリーは三者三様でした。

姉のコシノヒロコ(小篠弘子)は、長女として親から最も期待され、周囲からも注目される中、それに応えるべく努力を重ねました。

そんな姉のあとをついていくのが嫌だった私は、「姉との違いをいかに見つけるか」ということを常に意識していました。それは妹のコシノミチコ(小篠美智子)も同じだったようで、妹は中学から軟式テニスを始め、大学時代には学生チャンピオンになります。

私は画家になりたかったので、一日40枚、画用紙に絵を描くことを日課にしていました。また、地元の岸和田だんじり祭りが大好きで、見るだけでは飽き足らず、毎年だんじりを曳いて町中を走り回っていました。こんなことをやっていたのは三姉妹で私だけです。

三姉妹の共通点は、「親が一緒」という一点だけ。興味を持つものも、好きになるものも、全然違いました。この一人ひとりの生きてきたストーリーの違いこそが、それぞれの特徴となってオリジナリティを形づくっているのです。

ファッションには時代ごとに流れがありますが、そこに“自分”がいることが重要です。

「自分は何をつくりたいのか」という、しっかりとした“自分”がなくては、ブランドをつくり、育てることはできません。ブランドをつくるということは、誰でもない“自分”をつくることだと私は考えています。

そのためには、まずいろいろなことに興味を持ち、やってみること。経験を積むことが大切です。子供の頃や学生時代に興味を持ったり、好きになってやったことが、その後の人生で活かされたというのは、誰しも経験があるでしょう。私の場合、一つ例を挙げると、やはり大好きなだんじり祭りから受けた影響を欠くことはできません。

だんじり祭りの魅力は、何といっても山車が疾走するあの“勢い”にありますが、祭りに参加する人がお揃いの半纏を着て、気持ちを一つにして盛り上がる姿もなかなかのもの。いわば「揃いの美」。私はそこにも強く惹かれます。

昔からユニフォームのデザインは得意でした。1970年に開催された大阪万国博覧会では、生活産業館、ペプシコーラ館、タカラ館の3つのパビリオンでコンパニオンのユニフォームを手掛けました。当時、私は20代後半。おそらく一番若いデザイナーだったと思います。

「好きこそ物の上手なれ」と言うように、なにより「好き」が大事です。その「好き」を突き詰めていくと、やがてオリジナルになっていきます。得意なことを続けていくと、それが専門になります。そんなものです。

好きになるものは、最初は遊びであることが多いかもしれません。遊んでいるうちに、それが好きになる。ですから、遊ぶことは、魅力的なブランドをつくる“自分”を育てる上で、とても大事だと思っています。

 

コシノジュンコ(デザイナー)
大阪府岸和田市出身。岸和田高校卒業後、文化服装学院に入学。同学院デザイン科在学中、装苑賞を最年少の19歳で受賞。1966年に東京・青山にブティック「COLETTE」を開店。’78年にパリ・コレクションに初参加。ファッションにとどまらず、幅広いジャンルで活躍を続ける。

経営・マネジメント誌「衆知」

特集「感動を生み出す」

特集「感動を生み出す」

発売日:2017年10月27日
価格(税込):1,080円

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