ホーム » 歴史街道 » WEB特別企画 » 菅野直が率いた戦闘301(新選組)出撃の歌

菅野直が率いた戦闘301(新選組)出撃の歌

2014年12月10日 公開

歴史街道編集部

歴史街道2015年3月号/総力特集:菅野直と紫電改

「ワレ菅野一番。全機、突撃セヨ!」。

部下にそう命じるや、真っ先に敵編隊に斬り込む指揮官機の紫電改。海軍第343航空隊戦闘301飛行隊、通称「新選組」の隊長・菅野直〈かんのなおし〉大尉でした。

海軍兵学校出身の士官ながら、指折りのエースとされる撃墜数を誇り、豪快で破天荒、理不尽には屈せぬ個性から、歴戦の部下たちに慕われた闘将です。

昭和20年(1945)、本土を襲う敵の攻撃隊に、「日本にまだこれほどの精強部隊がいたのか」と畏怖させるほどの痛撃を与えた紫電改部隊の343空。

「歴史街道」2015年3月号では、その活躍の中心を担った菅野の、あくまで「指揮官先頭」を貫いた烈々たる闘魂が現代に語りかけるものを、初公開の写真などをまじえてご紹介しております。

   

ところで、菅野直が率いた343航空隊戦闘301飛行隊(通称・新選組)には隊歌がありました。本誌でも、その歌詞を掲載しておりますが、当時を知る方の多くが亡くなっていることもあり、メロディについてはどうしてもわかりませんでした。そこで、今号の取材で菅野直の部下であった笠井智一氏(当時、上飛曹。エースパイロットの一人)にお目にかかった際、メロディを覚えておられるかを伺ったところ、なんとその場で歌ってくださったのです。ホテルの喫茶室の一角なので、大声というわけにはいきませんでしたが、どんな曲であるかはおおよそ録音することができました。

笠井氏によりますと、20年ほど前に戦闘301飛行隊の慰霊祭で、会食時、笠井氏がマイクを持ってこれを唄い始めたところ、傍らに1人の女性が来て一緒に唄われたとのこと。どうやらその方は、この隊歌を作曲した女子師範学校の先生だったようです。

戦闘301飛行隊の生き残りも今や笠井氏おひとりとなり、出撃の歌の音符も残っていないことから、今回の録音はたいへん貴重な機会となりました。そこで、せっかくですのでピアノの曲に起こし、読者のみなさまにもお聴きいただければと思います。短い動画ではありますが、曲の雰囲気だけでも伝われば幸いです。

 

 

「戦闘301(新選組)出撃の歌」

作詞:柴田正司/作曲:女子師範学校

 熱血みなぎる五尺の身体
 皇国護持の令旨をうけて
 愛機と共に制空万里
 撃ちてし止まん
 撃ちてし止まん
 今ぞ出で立つ新選隊

 燃ゆる敵機は炎と化して
 真澄の空に墨絵をえがく
 何んの物量も血をもて答う
 撃ちてし止まん
 撃ちてし止まん
 今ぞ阿修羅の新選隊

 友よいななけ勝利の翼
 爆音雄々しく決戦場へ
 此の鉄腕で宿敵撃たん
 撃ちてし止まん
 撃ちてし止まん
 今ぞ吾等の新選隊


<雑誌紹介>

歴史街道2015年3月号 2015年3月号(菅野直と紫電改)

総力特集:菅野直と紫電改~「指揮官先頭」を貫いた闘魂

第二特集:吉田松陰を育んだ男たち~生涯の「志」をいかに立てたのか

 

 

 

 

iyashi

関連記事

編集部のおすすめ

ラバウル航空隊の主軸! 二〇四空かく戦えり

歴史街道編集部

史上最強の戦闘機隊「343空」〔1〕創設者源田実の合理的発想

戸高一成 (呉市海事歴史科学館〈大和ミュージアム〉館長)

家族が語る“零戦の設計者”堀越二郎(「風立ちぬ」のモデル)の素顔

堀越雅郎(堀越二郎長男)


アクセスランキング

  • Facebookでシェアする
iyashi

現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために
「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。