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あなたの心に残る昔話は?ランキング

2015年07月02日 公開
2023年01月16日 更新

『歴史街道』編集部

 

いま読み返せば印象が変わる昔話の奥深さ

今回のテーマは「昔話」。日本全国で定番の物語から、「あ、子どものとき読んだ!」という懐かしいお話、まったく初耳のお話…。挙がったタイトルとコメントを、ついつい読み耽ってしまい、いつも以上になかなか集計作業が進みませんでした。
では、ランキングの発表です。

第1位 桃太郎 21.3%

第2位 かぐや姫 8.4%

第3位 浦島太郎 7.2%

第4位 かさじぞう 6.4%

第5位 かちかち山 5.6%

第6位 鶴の恩返し 5.4%

第7位 さるかに合戦 3.6%

第8位 舌切リすずめ 2.2%

第9位 わらしべ長者 1.6%

第10位 おむすびころりん 1.4%


昔話の代名詞!

 やはり日本の昔話といえば「桃太郎」でしょうか。図抜けた得票数で、1位です。「桃から生まれたという特異性や、お供を集めるくだり、鬼退治の冒険など、少年の心をワクワクさせてくれるお話でした」(40代、男性)、「桃が川上から流れてくる際の《どんぶらこ》という効果音(?)を気に入っていた記憶がある」(20代、女性)。

 「桃から生まれてくるところに、衝撃を受けた。しばらくは、桃をみるたびに、桃太郎のことが頭の中に浮かんできていた」(30代、女性)。確かに子どものときに読むと、ちょっとトラウマになるかもしれませんね…。

 また、物語世界から一歩引いて読んでみると…「鬼を指す鬼門(丑寅)の反対側の干支が、犬、猿、鳥(キジ)だという説を知った時は納得できた」(20代、女性)、「これってもしかして桃太郎が侵略者なんじゃないのという疑問をもった」(30代、女性)。

 

まるでSF!?

 第2位の「かぐや姫」は、注目されるポイントがみなさん大分異なるようです。「おじいさんとおばあさんがとても大切にかぐや姫を育てているところが良い」(20代、女性)、「藤原氏を批判していると思われる内容である」(60代、男性)、「月に帰ったあとかぐや姫は幸せになったのか、もやもやと印象に残っている」(30代、女性)。

 第3位には、「浦島太郎」。異世界での日々からの奇想天外なラストが忘れられません。「終わり方がとてもSFっぽいところがいい。なにか光速旅行が実現した感じがする」(50代、男性)、「亀を助けていいことをしたのに玉手箱でおじいさんになってしまった点。子どもの私にとってかなり困惑する展開だった」(20代、女性)。中には、「『バブル』と『老後不安』を両方暗示している」(50代、男性)という現代的な読み方をする方も。

 

いま読み返すと印象が変わる?

 第4位「かさじぞう」には、「貧乏なおじいさんが、持ち物全てをお地蔵様に渡して、それでもおじいさんの心は貧乏にならないところ。子ども心に感動した」(30代、女性)、「お地蔵さんにも心があって、自ら動くんだ、と強く印象に残りました。今でも雪深い日にお地蔵さんを見ると思い出します」(50代、女性)というあたたかいコメントが。一方で、「笠のお礼に食べ物やお金をもらっても、それが尽きたらどうするんだろうと心配でした」(10代、女性)と冷静な声も。

 第5位、「かちかち山」は、実はかなり残酷な物語。いわば「容赦ない復讐劇」(20代、女性)です。「今にして思えばタヌキのあまりの非道さと、ウサギによる執拗かつ凄絶な仇討ちはかなり刺激的です。それでも子どもの頃は溜飲が下がったものでした」(40代、男性)。

 引き続き、6位以下の昔話で、興味深いコメントをいただいたものを紹介しましょう。

鶴の恩返し「見てはいけないところを見てしまったことと、浦島太郎の開けてはならない箱を開けてしまったことが似ていて印象的」(20代)

舌切りすずめ「『何かを得たいがために生き物を傷つけると、自分の心も黒く染まる』という教訓が、初めて読んだ時深く心に突き刺さり、今でも忘れられません」20代、女性) ◇わらしべ長者「都合が良すぎだが、それがいい。物に執着しない、人に親切にする、どちらも大切ですね」(30代、男性)

おむすびころりん「土の中にねずみの世界があるということにすごく興味を持った幼少時代です」(30代、男性)

花さかじいさん「おじいさんとおばあさんとシロの愛溢れる物語に感激し、最後に互いの絆を表わしたような綺麗な桜が枯れ木に咲くところが美しく印象的でした」(30代、女性)

力太郎「風呂に入らないおじいさんとおばあさんが自分の垢を丸めて作った子ども、というところが衝撃的でした」(40代、女性)

 いま思えば、なかなか怖い話だなあ、あれは何を暗示していたのだろう…などなど、昔話の奥深さに思いを馳せられる数々のご投稿、ありかとうございました。

《『歴史街道』2015年7月号より》

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