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AKB48・太田奈緒と学ぶ! 京都府のこの偉人、知っている?

2017年06月13日 公開

河合敦・太田奈緒

太田奈緒写真:永井浩 

 現在、選抜総選挙真っ只中のAKB48。速報時点で「ネクストガールズ(※1)」にランクインするなど、昨年から躍進したのがチーム8(※2)京都府代表の太田奈緒さんだ。
 今回、太田さんに、出身地の京都府のある歴史上の人物について、歴史研究家の河合敦先生から学んでいただいた。
 あなたはこの偉人、知っていますか?

 

保津川の川下りは、この人のおかげ!

河合 太田さんは日本史は得意でしたか?
太田 ……どちらかといえば苦手でした。
河合 おや(笑)。大丈夫ですよ、一緒に学びましょう。京都のご出身と伺いましたが、ゆかりの偉人が数えきれないほどいますよね。
太田 坂上田村麻呂とか?
河合 さすが地元ですね(笑)。今回は、京都の角倉了以(すみのくら・りょうい)という人を取り上げましょう。戦国から江戸時代にかけての人物です。
太田 はじめて聞いた方です。
河合 でも、京都の嵯峨の保津川はご存知ですよね?
太田 行ったこともあります。舟の川下りが有名で、水しぶきがかかるくらい、流れが急なんです。
河合 実は、その川下りができるのは、この人のお蔭なんですよ。
太田 えっ、そうなんですか?
河合 京都市って海に面していませんよね。だから昔は周辺からモノを運ぶとき、陸から馬などを使っていたんです。でも、馬だと少ししか荷を積めず運賃も高い。ある方法で、そんな不便さを解決してしまったのが了以なんです!
太田 もしかして、川ですか?
河合 正解!
太田 舟ならば大量にモノを運べますし、時間も短縮できますね。
河合 そうです。そこで了以は保津川に舟が通れるようにしたのです。この川はとても急で、普通なら舟は通れません。なので、了以は私財を投じて工事をしました。
太田 自分のお金で、ってことですか?
河合 もちろん! 川の通行料はもらったりしてお金を回収しましたが、それでもなかなかできない立派なことですよね。

 

京都を繁栄させたアイデアとは?

河合 しかも、了以は他にもすごいことをやっています。ここでひとつ質問、京都で最も有名な川はどこですか?
太田 鴨川。
河合 ですね。了以は同じようにその鴨川にも舟を通したんです。
太田 すごいですね…。
河合 でも、すぐに泥が入り込んで川が浅くなり、舟が通れなくなってしまったのです。人々もがっかりしました。このとき了以はあることを閃きます。何だと思いますか?
太田 ええーっ? 泥がいっぱいってことは…うーん…。
河合 鴨川と並行して高瀬川ってありますよね? あれ、了以がつくったんです。
太田 え、人工の川ということですか? どうやってつくるんだろう……。
河合 私も詳しいことは分かりません(笑)。ただ、鴨川が泥で駄目ならば、自分で川をつくってしまえと、了以は発想を上手に転換したのです。ちょうど家康が江戸に幕府をつくり、京都は「このまま廃れるかも」と人々は不安に思っていましたが、了以の事業もあって経済的発展を遂げたのです。太田さんの故郷の礎を築いた方といえますね。
太田 娯楽でなく、舟が川を通ることで町が栄えるなんて、想像したこともありませんでした。でも、私たちの町が、了以さんのような昔の方のお蔭でできていると思うと、感謝のきもちがわいてきます!        

高瀬川、角倉了以邸宅跡 高瀬川には、今も角倉了以が住んだ邸宅跡に碑が建つ

※1 ネクストガールズ…AKB48総選挙で33~48位までにランクインしたメンバー。太田さんは昨年の圏外から、速報時点で41位。
※2 チーム8…AKB48のチームのひとつで、全国一斉に行なわれたオーディションによって、47都道府県から1人ずつメンバーが選ばれた。

角倉了以(1554 -1614)
戦国時代から江戸時代初期にかけての京都の豪商。外国との貿易を行なう傍ら、大堰川や高瀬川を私財を投じて開削。徳川家康の命令で富士川や天竜川の開削も行なっている。地元・京都では、琵琶湖疏水の設計者・田辺朔郎と共に「水運の父」として有名。

iyashi

著者紹介

河合 敦(かわい・あつし)

作家、歴史家

1965年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。1989年、日本史の教諭として東京都に採用され、2004年より都立白?高等学校・附属中学校に着任。2013年、東京都を退職。現在、文教大学付属中学校・高等学校教諭、早稲田大学教育学部講師。教壇に立つ傍ら、歴史作家・歴史研究家として、数多くの著作を刊行。「世界一受けたい授業」(日本テレビ)など、テレビ出演も多数。
主な著書に、『早わかり日本史』『早わかり江戸時代』(以上、日本実業出版社)、『岩崎弥太郎と三菱四代』(幻冬舎新書)、『読めばすっきり! よくわかる日本史』(角川SSC新書)、『目からウロコの日本史』『目からウロコの近現代史』(以上、PHPエディターズ・グループ)、監修に『日本一わかりやすい図解日本史』(PHPエディターズ・グループ)などがある。

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