ホーム » 歴史街道 » 編集部コラム » ドク・ホリデイとOK牧場の決闘

ドク・ホリデイとOK牧場の決闘

2017年11月07日 公開

歴史街道編集部

トゥームストン、OK牧場

米国アリゾナ州トゥームストン OK牧場(コラル)
 

西部開拓時代のガンマン・ドク・ホリデイが没

今日は何の日 1887年11月8日

1887年11月8日、ドク・ホリデイが没しました。OK牧場(コラル)の決闘における、主要人物の一人のガンマンです。

ドク・ホリデイは知らなくても、西部劇の「OK牧場の決闘」なら聞いたことがある、という人も少なくないかもしれません。テレビCMのガッツ石松さんの駄洒落で知っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。むかしは、テレビの洋画劇場でよく西部劇をやっていましたが最近はめっきり目にしなくなり、西部劇の新作もあまり作られません。これも時代の変化でしょうか。

「OK牧場の決闘」の舞台はアリゾナのトゥームストン。トゥームストンは「墓石」という意味です。この町は1877(明治10年)に銀鉱が発見されてにわかに発展し、荒野に瞬く間に万を超す人口の町が現われました。 早くからこの町に住み、牧場の経営をしていたクラントン一家は、時に牛泥棒や強盗をやりながら、町の有力者となっていました。しかも郡保安官(カウンテイ・シェリフ)のジョニー・ビーハンをも影響下に置き、荒くれ者を抱えて、傍若無人に振る舞います。彼らの悪行から無法地帯と化したトゥームストン。町の心ある人々は、治安を回復させるべく、手を尽くして腕利きの保安官を探し始めました。そして1879年(明治12)、かつて地上最悪の無法の町と呼ばれたダッジシティを浄化した保安官で、ガンマンとしても高名なワイアット・アープが、2人の兄弟やドク・ホリデイといった応援者とともに、トゥームストンに乗り込んだのです。

ドク・ホリデイの本名はジョン・ヘンリー・ホリデイ。歯学博士の免許を持っていたため、「ドク」の愛称で呼ばれました。ドクは賭博師で結核を患っており、高地療養も兼ねてトゥームストンに現われたともいわれます。この時、28歳。アープ兄弟は連邦保安官(U.S.マーシャル)と市保安官(シティ・マーシャル)の地位を得て、クラントン一家と対立し始めました。 両者の衝突は、クラントン一家の配下が軍の馬匹を強奪したことに始まります。これに対して連邦保安官のワイアット・アープは、クラントンの牧場に乗り込んで軍馬を取り戻しました。クラントン一家は当然、アープが邪魔になります。

1881年(明治14)3月、駅馬車強盗事件が発生。その容疑者として、ドク・ホリデイの名前が挙がりました。クラントン一家が謀略で反撃に出たのです。 結局、裁判でドク・ホリデイは無罪となり、クラントン一家の目論見は失敗しますが、これによって両陣営は一触即発の緊張状態となりました。そして同年10月26日午後。クラントン一家が町外れのOKコラルに続々と集結し、何事かの相談を始めます。ちなみにOKコラルは牧場と呼ぶよりも、囲いのある馬置き場に近く、メインストリートから外れた、そう広くない場所であったようです。

クラントン一家の不穏な動きにアープ3兄弟とドク・ホリデイは、彼らを武装解除させるべく、OKコラルに乗り込みました。かねてより険悪な両者です。短い遣り取りが交わされて、直後に激昂したドク・ホリデイが発砲。それを合図に全員が銃を撃ち合いました。当時は黒色火薬のため、煙がコラルに立ち込めて、視界を奪います。煙が薄らいだ時、クラントン側は4人が地面に倒れていました。3人が死亡し、1人が重傷。一方、アープ側はワイアットが無事で3人が負傷、死者はいません。 この決闘の時間は、僅か28秒であったといいます。

この騒ぎに、クラントンの息のかかった郡保安官ビーハンが駆けつけ、アープらを殺人罪で逮捕しようとしますが、逆にワイアットから「公務執行中だ!」と一喝されました。決闘といわれますが、アープらからすれば、治安を守るための取締りであったのです。アメリカ西部史上の事件として、1876年(明治9)のカスター中佐と第七騎兵隊全滅事件と並んで、このOKコラルの決闘はアメリカ人の間に浸透し、さまざまな脚色も加えられて、親しまれました。

ドク・ホリデイはその後、1887年に11月8日、肺結核のため、コロラド州で没しました。享年36。

癒しフェア2018 東京(8月)、大阪(3月)出店者大募集!!

関連記事

編集部のおすすめ

巌流島の決闘~遅いぞ、武蔵! 小次郎、敗れたり!

歴史街道編集部

曾我兄弟の仇討ち~十郎22歳、五郎20歳

歴史街道編集部

瑤泉院と赤穂浪士の討入り~南部坂雪の別れ

歴史街道編集部


アクセスランキング

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
癒しフェア2018 東京(8月)、大阪(3月)出店者大募集!!

現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために
「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。