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元社長秘書が見た「大きな仕事を任される人の習慣」

2015年05月13日 公開
2023年05月16日 更新

能町光香(リンク代表取締役)

評価される人の「5つの習慣」

習慣1 相手の時間に配慮する


評価アップにつながる「周囲への気遣い」のうち最も大事なのは、相手の時間を尊重すること。要領を得ない報告などで相手の時間を無駄に使うと、多忙な相手であればあるほど迷惑をかけてしまう。相手からの評価も急激に下がってしまうので要注意だ。

相手と会話を交わす際には、簡潔でわかりやすい表現を心がけることが必須。同時に、相手が対応しやすいタイミングにも留意しよう。最適なのは、車や新幹線などでの移動中。同行できない場合でも、相手のスケジュールを考えて移動中にメールを送る、といった工夫ができる。
 

習慣2 職場では「アウトプット」に徹する


職場は意見や提案をしたり、成果物を提出したり、会話をやりとりするなどの「アウトプットの場」と心得よう。人との接点を積極的に多くし、共通理解を図ることでチームワークもよくなり、成果も上がりやすくなる。

それに対し、「インプット」は職場でなくてもできる作業と言える。書類をじっくり読んだり、データを分析したりする「ひとり作業」を、皆が集う場所で行なうのは有効な時間活用とは言えない。インプットのための時間は一人で外に出ているときや、休みの日などに集中的に行なうのが良い。
 

習慣3 やるべきことに集中する


能町氏によれば、評価される人は例外なく集中力がとても高い。周囲への配慮、上司や部下とのコミュニケーションを重視し、自分の仕事はなるべく短時間で済ませる傾向があるのだ。

集中力が高まれば高まるほど精度は上がり、処理時間も少なくて済む。そのタスクが終われば少し休憩し、次のタスクに移ればまたそのことだけに集中する。頭の中をそのつど切り替えて、常に力の注ぎ先を一つにすることが大切だ。

集中→終了→休憩→切り替えて次のことに集中、というシンプルな繰り返しによって、どれだけ多くのタスクを抱えていても良い成果を挙げることができる。
 

習慣4 脳を無にする時間を持つ


長時間働けば評価されると思ったら大間違い。休むことは、仕事のクオリティを上げるには欠かせないものだ。評価される人はそれを知っているので、心や身体を「休ませる」のがとても上手だ。

仕事中絶えず動かし続けてきた脳は、時に「空っぽ」にする必要がある。その時間を持つことによって、クリエイティビティを発揮することができる。

思い切って遠出をして、物理的に仕事から距離を置くのも効果的。頭の中がリフレッシュされ、再び仕事に戻ったときの集中力もアップする。
 

習慣5 会社のミッションを意識する


自分の属している組織のミッションやビジョンを意識している人は意外に少ない。自分の業務は組織のミッションの実現に通じるものであることを認識していないと、仕事内容はつい独りよがりなものになり、成果に結びつきにくくなるので注意が必要だ。

日頃から、ミッションと自分の目標をすり合わせ、各業務の位置づけを考える習慣を持とう。会社の目的→所属部課の目的→自分の目的、という道筋を明確に描くことで、貢献度の高い働き手になれる。中間管理職の場合は、部下たちにその意識を浸透させることも忘れずに。

<『THE21』2015年4月号より>


能町光香(のうまち・みつか)

リンク代表取締役

青山学院大学卒業後、商社勤務を経てクィーンズランド大学院(豪州)へ進学。帰国後はティファニー・ジャパン・インク、バンクオブアメリカ、メリルリンチ、ファイザー製薬等の外資系企業でエグゼクティブ・アシスタント(社長・重役秘書)を務める。現在は人材育成コンサルタント・著述家として活躍するほか、「一流秘書養成スクール」も主宰。著書に、『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』(クロスメディア・パブリッシング)など多数。

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