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必要な書類を瞬時に取り出す「ファイリング術」

2015年11月16日 公開
2023年05月16日 更新

桃山 透(T&Eネットワーク主宰)

クリアホルダーをもっと便利に使いこなす!

 

 書類の山から必要なものを探すのに時間がかかる。どのファイルに何が入っているのか判然としない……。書類のファイリングは仕事の基本だが、きちんとできていない人も少なくないはず。ファイリングのプロ・桃山透氏に、仕事の効率を上げるファイリング術をうかがった。

 

紙で残す書類は厳選し作業ごとに片づける

 書類のファイリングが下手な人によくあるのが、手元にある書類が多すぎるケースです。8~9割が、実は、紙で持っておく必要がない書類だということさえあります。今は誰もがパソコンを使う時代。わざわざプリントアウトして紙で持つ必要がある書類が、どれほどあるでしょうか? まずは、不要な書類の処分をするべきです。

 紙で持つ必要がある書類は、次の2種類しかないはず。1つは、紙のほうが使いやすい書類。もう1つは、紙でしか存在しない書類です。ただし、紙でしか存在しない書類も、スキャンすれば、パソコンの中にデータとして保存できます。

 厳選して紙で残すことにした書類は、「時間軸」と「重要度」で分類しましょう。緊急性があって重要な書類はデスクの上に置き、そうでない書類は引き出しの中に入れましょう。

 いずれの場所に置くにしても、大切なことは、必要なときに見つけやすい工夫をすること。案件ごとにファイリングし、クリアホルダーにはラベルライターで作った見出しを貼るなどして、検索しやすくするのです。

 整理が苦手な人は、自分に合ったツールを使っていないのかもしれません。あとで紹介するツールなどを参考にしてみてください。また、こまめに文房具店に足を運ぶのもお勧めです。

 かく言う私も、かつては勤めていた職場で一番、整理が下手でした。けれども、整理を心がけるようにしてから、仕事の効率が格段に上がりました。習慣化されていないと、整理は面倒に感じますが、習慣をつければ手間ではありません。

 仕事の区切りがつくたびに、デスクの上の書類を片づけるようにしましょう。忙しいと、少しの整理でも煩わずらわしいかもしれません。けれども、そのときに使っていた書類を元の場所に戻すことは、数秒もあればできます。その数秒で、仕事の効率が格段に上がるのです。

 

[テクニック1]
「1年間放置したら不要」書類を捨てるルールを決める

 ファイリングのスタートは書類を捨てること。「必要な書類」と「不要な書類」に分けて、「不要な書類」は躊躇なく捨てよう。

 ただ、分けようとすると、必ず出てくるのが「迷う書類」だ。その扱いは、あらかじめルールを決めておけば、それを適用するだけで判断できる。

(1)パソコンにデータがある書類は捨てる
(2)1年以上使用しなかった書類は捨てる

 などのルールだ。それでも迷いが残る場合は、上司や優秀な先輩の意見を聞いて、保管するか、捨てるかを決めればいい。

 会社によっては書類の保管期限が定められていることもある。その場合は、規定に沿って保管すること。

「必要な書類」と判断したものでも、ある時点が来れば、パソコンの中にデータとして保管しておけばいいようになることもある。本当に紙で持っておいたほうがいいのか、仕事がひと区切りつくたびに見直そう。

 

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[テクニック2] デスクの上にはファイルボックス2つだけ >

著者紹介

桃山 透(ももやま・とおる)

T&Eネットワーク主宰

1968年、大阪府生まれ。金融系企業の営業、コピーライター、出版社の編集者、業界新聞の編集長を経て、フリーライターに。主にビジネス書、実用書、医学書関連の執筆・編集・監修に携わる。整理術・手帳術にはとくに強く、日経BP社や『プレジデント』のオンラインで整理術や手帳術のコラムを執筆。

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