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「弱形」を知れば、英語は9割聴き取れる!

2016年01月26日 公開

関 正生(英語講師・語学書作家)

日本人が苦手な音ベスト5攻略法

 

「him」「her」──消えたうえに、前の語にくっつく

英語のhの音は意外とやっかいで、普通の単語はきちんと発音するけれど、弱形のときには消滅してしまう。だから、たとえば「him」や「her」は、それぞれ「イム」や「ァー」という音になる。さらにやっかいなのが、こうなると前の語末の子音とくっついて、別の音になってしまうこと。たとえば「tell him」は、「テル・ヒム」でも、「テル・イム」でもなく、「テリム」となる。この法則を理解しておくと、かなり聴き取れる音が増えるはず。

 

「t」と「d」──「チェキラ」というより「チェキダウッ」

アメリカ英語において、「t」は「タ行」ではなく「ダ行」になることが多い。たとえば「water」は「ウォーター→ウォーダー」、「party」は「パーティー→パーディー」となる。この濁音化する現象を「有声化」と呼ぶ。

ちなみに日本人は有声化した「t」が「ラ」に聴こえやすいようで、partyが「パーリー」、「Check it out!」が「チェキラ」と書かれているのをしばしば見かけるが、実際には「ダ」のほうが正確。より正確に言えば、最後のtが呑み込まれ、「チェキダウッ」となる。

 

英語の「ア」──「だらんとしたア」をまずマスター

日本語の「ア」の音は1種類しかないが、英語には4種類のアがある。会話で使う頻度が突出して多いのは、eをさかさまにした発音記号で表現される曖昧な「ア」なので、まずはこれをマスターすればいい。ネイティブはこの母音を口をだらんと半開きにしたまま発音するので、声がこもって曖昧な音になり、ときに「イ」や「ウ」など他の母音に聴こえることさえある。昔の日本人がmachineを「ミシン」だと思ったのもそのため(machineのaがこの音で、これが「イ」に聴こえた証拠)。そういう音だと意識しておけば、「ア」の聴き取りはかなりラクになる。

 

「can」と「can’t」──最後のt は聴き取らなくていい

英語には、「単語の終わりにきた子音は飲み込まれる」というルールがある。だからcan ’ tは、最後の「t」が飲み込まれて「キャーン」と発音する。ところが、日本人はこれを「can」だと思ってしまうことが多い。否定か肯定かで意味が180度違うので、ここを勘違いすると厄介だが、区別は意外と簡単。「can」は弱形で「カン」もしくは「クン」と発音するからだ。よってネイティブとの会話で「キャーン」と聴こえたら、「これはcan ’tだな」とまずは考えてみるほうがうまくいくことが多い。

 

「r」と「l 」──最初に「ウ」が入るかどうか

日本人が区別しにくいとされる代表格の音だが、実は明らかな違いがある。それは、「r」には最初にかすかな「ゥ」が入ること。「red」なら「ゥレッド」、「write」なら「ゥライト」となる。発音の際も、最初に思い切り口を突き出して「ウ」の音を出す形にすると、次の「r」の音がラクに出せる。「l」は単語の先頭に来たときははっきりした「ラ」でわかりやすいが、注意が必要なのは単語の途中や終わりに来たとき。「milk」は「ミウク」、「people」は「ピーポー」のように、「ウ」や「オ」に聴こえるので注意。

(『THE21』2015年7月号より)

(取材・構成:塚田有香 写真撮影:まるやゆういち)

iyashi

著者紹介

関 正生(せき・まさお)

英語講師・語学書作家

1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。TOEICテスト990点満点取得。予備校デビュー1年目から、講義を担当する校舎すべてで、常に最多の受講者数を記録。現在はリクルート運営のオンライン予備校「受験サプリ」、TOEICテスト対策「資格サプリ」でも講師を務める。『世界一わかりやすい英語の発音の授業』(KADOKAWA )など、英語に関する著書多数。週刊英和新聞『朝日ウィークリー』でコラム連載中。

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