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きちんと「プロポーズ」したカップルは、なぜうまくいくのか?

2016年04月04日 公開
2016年04月04日 更新

桂 由美(ブライダルファッションデザイナー)×須野田珠美(NOZZE社長)

日本の将来を救う唯一の方法は、結婚するカップルを増やすこと

 

 今年で第10回を迎える『恋人の聖地 プロポーズの言葉コンテスト』。全国から募集した「プロポーズの言葉」とエピソードを表彰するイベントで、毎年、愛する人への想いを込めたメッセージが多数寄せられている。2016年の開催を記念し、恋人の聖地推進の発案者であり、1回目から審査員を務めるファッションデザイナーの桂由美氏と、今年から協賛として参画するNOZZE(ノッツェ)結婚情報センター社長・須野田珠美氏の特別対談を実施。昨今のブライダル事情に通じたお2人に、結婚を取り巻く日本の現状とプロポーズの素晴らしさについて存分に語っていただいた。

 

日本で非婚化・少子化が進む本当の理由とは?

 ――今、日本では「非婚化」が進み、結婚しない男女が増えています。その要因はどこにあるとお考えですか?

 女性の高学歴化が進めば、どの国でも非婚化現象が起こるものです。たとえばシンガポールでも、近年は同じ理由から非婚化と少子化が進んでいました。そこで政府が国営の結婚紹介所を設立したところ、婚姻率が上がったという実績があります。ですから、日本でももっと国がこの問題に力を入れていいと思いますね。最近も「出生率が上がらなければ、30年後には消滅する自治体が出てくるであろう」という推計が発表されて注目を集めました。私は「皆さん、本当にこのままでいいんですか?」と大声で叫びたいくらいです。

須野田 今の日本では、結婚について教育を受ける機会が不足しています。私たちが学生の頃は、学校の授業で「家族は社会の最小単位である」と教わりました。しかし今は、社会全体が「結婚は個人のもの」と定義してしまい、個人の側もそれに甘んじてしまっているように感じます。独身生活が長くなるほど「自分の生活に他人が入ってきてほしくない」と考えるようになるもの。それで、ますます結婚から遠ざかってしまう、という現象が起こっています。

 昔は、料理や洗濯ができない男性がほとんどでしたから、母親の代わりに家事をやってくれる奥さんが必要でした。ところが今は機械がやってくれる。食事もコンビニで買えば事足ります。そうなると、もはや結婚は必要不可欠ではなくなるわけです。

須野田 物理的な欲求が満たされれば、「パートナーがほしい」という精神的な欲求が後退するのは自然なことかもしれません。裏を返せば、この精神的な欲求を引き出すことが、非婚化を解消するカギになると思います。

 実は、興味深いことに、「離婚経験者の4分の3は再婚を希望している」というデータがあるんです。つまり、相手と相性が合わずに離婚はしてしまったけれども、一度結婚をすることで、パートナーを持つことによる幸福感や安心感を実感する人が多いわけです。ですから、結婚の良さを知る機会がもっと増えれば、独身男性が抱きがちな「結婚なんて面倒くさい」という偏見は解消されるのではないでしょうか。

 

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著者紹介

桂 由美(かつら・ゆみ)

ブライダルファッションデザイナー

東京生まれ。共立女子大学卒業後、フランスへ留学。1964年、日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動開始。パリコレをはじめ世界各国30カ所以上でショーを行ない、ブライダルの伝道師とも呼ばれる。1993年外務大臣表彰、1996年中国「新時代婚礼服飾文化賞」など、受賞歴多数。1999年、東洋人初のイタリアファッション協会正会員。また、非婚化・晩婚化による少子化問題にも力を注ぎ、「恋人の聖地」の推進をはじめ、市民参加型の結婚式「ふるさとウェディング」を呼びかける運動を展開するなど、多岐にわたり活躍中。

須野田珠美(すのだ・たまみ)

〔株〕結婚情報センター(NOZZE)代表取締役社長

東京生まれ。幼稚園教諭を経て、須野田誠氏(故人)と結婚し、「早稲田アカデミー」(東証1部上場)を夫と創設。後進が育った時点で早稲田アカデミーを引退し、専業主婦を経て、創業間もないNOZZEに入社。2013年、代表取締役社長に就任。また、10年にはファッションブランド『JuviJuvi』を立ち上げた。

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