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「すごい成果」を上げるリーダーの部下指導の極意とは?

2016年06月28日 公開
2022年07月12日 更新

赤羽雄二(ブレークスルーパートナーズ代表取締役)

部下を育てつつ、高いアウトプットを出すことが可能に

アウトプットイメージ作成アプローチは、上司も頭をフル回転させることになるので、慣れないうちは大変かもしれません。でもそれによって考える力が鍛えられ、上司自身の成長にもつながります。

①の作業は、25ページほどの資料であれば30分程度で終わらせるようにします。30分では足りないと思われるかもしれませんが、4~5回やれば可能だと思います。これまで私が直接支援させていただいた皆さんは、短期間でマスターされました。上の立場になるほど、あらゆる場面で即断即決が求められるので、その時のための訓練だと思いましょう。

この手法を取り入れることで、部下は過度なストレスやプレッシャーを感じることなく、スピーディーに資料を作成することが可能になります。アウトプットの質も格段に上がるでしょう。

慣れてきたら、部下の目の前でアウトプットイメージを書き上げると部下が大変に驚きます。部下は「こうすればいいんだな」と仕事の手順を知ることになります。

この手法は資料作成だけでなく、デザインやプログラミング、仕様書作成など、あらゆる業務に応用可能ですので、ぜひ試してみてください。

 

これまでの「部下指導」の常識は通用しない

これまでの日本企業でよしとされてきた上司としての権威を強めたり、解決方法を部下に自分で考えさせたり、時には厳しく叱りつけたりといった方法では、もはや対応できなくなっています。

右肩上がりの時代ならそれでもよかったのかもしれませんが、今は違います。上司がきめ細やかなフォローをしてこそ、部下の一人ひとりは個の力を発揮する素地が鍛えられるのだと思います。

本書は部下の成長、そして上司自身の成長につながるような習慣をイラスト付きでまとめたものです。短期間でパワーアップするものから、長期的に大きな成長を遂げる取り組みまで。一つ一つはどれも難しいことではありません。今すぐにでも実践できることばかりです。悩める上司の一助となれば幸いです。

著者紹介

赤羽雄二(あかば・ゆうじ)

ブレークスルーパートナーズ〔株〕マネージングディレクター

1954年生まれ。78年、東京大学卒業後、〔株〕小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。83年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。86年、マッキンゼーに入社。90年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、とくにLGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、ブレークスルーパートナーズ〔株〕を共同創業。著書に『ゼロ秒思考』(ダイヤモンド社)などがある。

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