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EUショックで見えてきた「本当に安全な投資手法」とは?

2016年06月28日 公開
2023年05月16日 更新

高橋成壽(寿FPコンサルティング代表)

有事に強い投資先、弱い投資先とは?

そんな中、投資初心者は「投資ってやっぱり怖い」と思われているのではないかと思います。しかし、実はEUショックがあったからこそ見えてきたことも多々あります。そこで今回、ファイナンシャルプランナーとして多くの人から投資の相談を受けてきた立場を踏まえながら、「EUショックを経た今、初心者が選ぶべき投資手法は何か」を考えていきたいと思います。

投資の基本は「何に投資するか」「いつ投資するか」「どの仕組みで投資するか」の3つ。まずは「何に投資するか」です。

今回のEUショック直後の動きから、短期的なショックに弱い投資先と、逆にショックに強い投資先が改めて浮かび上がってきました。

ショックに短期的に弱い投資先
・外国為替相場
・外国株式相場
・国内株式相場

ショックに短期的に強い投資先
・金
・日本国債
・預貯金

ただ、ここでいう「強い」の意味は、利益が出るというよりは「マイナスになりにくい」といった消極的な意味合いであることをご理解ください。マイナスになりにくいということと、長期的なリターンの大きさは、基本的にトレードオフの関係です。表にすると以下のようになります。

金利を得られる外国為替と成長が見込める外国株式は、リターンは大きくても、今回のような市場の激変時に最も大きな影響を受けます。一方、金は有事の際の安全性と換金性に優れていますが、それ自体から金利などの収益を得ることはできません。

そう考えると、EUショックで下落したとはいえ、将来的にはリターンが見込める外国為替・外国株式と、安全性に優れた金をバランスよく持つ、というのが、最も安心と言えるでしょう。

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著者紹介

高橋成壽(たかはし・なるひさ)

寿FPコンサルティング代表取締役

日本FP協会認定CFP。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、投資商品の営業、外資系生保の営業を経て、ファイナンシャル・プランナー会社を設立。女性のお金に関する悩みを解消するサービスとして、家計管理講座「マネーレッスン」を開講中。

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