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星野リゾートの現場力(11)界 日光の「日光下駄」

2017年02月24日 公開

星野佳路(星野リゾート代表)

日光の魅力をスタッフと共に伝える総支配人

日本を代表するリゾート運営会社・星野リゾートでは、「遊び」や「楽しみ」の中に仕事のヒントを見つけたり、逆に仕事をきっかけとした趣味を楽しんだりしている社員が多いという。本連載では、そのような「遊びと仕事」の融合の事例を、代表の星野佳路氏のコメントとともに紹介。第11回は、「星野リゾート 界 日光」から、本連載発となる支配人が登場。日光の魅力をどう発掘し、伝えているのか。《取材・構成=前田はるみ》

 

伝統工芸に触れ日光の魅力を再発見

中禅寺湖の湖畔にたたずむ温泉旅館「星のリゾート 界  日光」は、奥日光の絶景が満喫できるうえに、日光の魅力を再発見できる宿でもある。

日光を代表する名所といえば日光東照宮だが、その造営を通じて発展した鹿沼組子や、造営を担った職人たちが始めたとされる日光彫など、東照宮にゆかりのある伝統工芸を館内に配して宿泊客をもてなす。テーマは、「現代の日光詣」だ。

日光東照宮をこの土地の魅力の目玉としたのは、この宿の総支配人である永田淑子氏。この人こそが、日光に最も魅了された一人である。一年前に着任して以来、日光を散策し、人々と言葉を交わし、伝統工芸を体験するうちに発見した日光の魅力を、宿のサービスに取り入れてきた。

今は、日光下駄の奥深さにはまっている。日光下駄は、雪の多い日光の坂道を歩くのに重宝された江戸時代の履物であり、草履の下に下駄を合わせたつくりが特徴だ。「伝統工芸の価値を知るには、作り方も見てみたい」と職人のもとに通い始めたのをきっかけに、自分でも草履を編むようになった。

「5、6時間編み続けることもありますが、やってみると奥が深いのです」と永田氏。
仕事とプライベートの境は、あってないようなものだが、「両方が充足していることが私にとっての活力の源です」と話す。

 

スタッフと一緒に「楽しいこと」を作る

日光の良さをどう発信していくのか思索する一方で、総支配人としてスタッフ育成にも力を入れている。スタッフと議論を重ね、日光滞在を満喫できるサービスを一緒に作り上げていく。スタッフととことん向き合うのが、永田氏のやり方だ。

「スタッフにはいつも『楽しいことをしよう』と話しています。ただ、楽しいことばかりではなく、失敗することもありますが、それをスタッフと共有しながら、次の対策を一緒に考えるのも楽しみの一つです」

 総支配人を経験して、プレーヤーやユニットディレクターとして見ていた世界よりも広い世界があることを知り、思考の幅も格段に広がった。

「この景色をスタッフに伝えるのも、私の役割かなと思っています。価値観や個性の異なるスタッフとたくさん議論し、お客様に喜んでもらえるサービスを生み出し続ける環境を作っていきたいです」

 

星野佳路氏の視点――「立候補制度」とリーダーの適性 >

iyashi

著者紹介

星野佳路(ほしの・よしはる)

星野リゾート代表

1960年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。日本航空開発(現・JALホテルズ)に入社。シカゴにて2年間、新ホテルの開発業務に携わる。89年に帰国後、家業である㈱星野温泉に副社長として入社するも、6カ月で退職。シティバンクに転職し、リゾート企業の債権回収業務に携わったのち、91年、ふたたび㈱星野温泉(現・星野リゾート)へ入社、代表取締役社長に就任。

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