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板挟みの40代、人間関係で悩まないコツ

2017年03月22日 公開

宮本実果(産業カウンセラー)

40代を悩ませる「上司」の対処法

・前時代的
・「型」を重視し、「意味のない会議」が好き
・朝令暮改が多い
→対処法は「『目的』をはっきりさせること」

旧世代は「型」を重視する傾向が強い。前例を踏襲すること、決まったプロセスを経ることを不可欠と考え、意味なく会議を開いたり、意味なく頻繁に呼びつけて報告させたりする。
そうした形式主義には、否定や異議ではなく「目的」を問うことが効果的。「何を目的にしていらっしゃるか、『教えていただけますか』」と、教えを請う形で聞けば波風は立たない。
また、いったん言ったことを「言っていない」と主張する「朝礼暮改上司」に対しては、証拠を残すのがベスト。小さなミーティングでも議事録を作る、口頭で指示を受けたら席に戻った後その内容を明記した確認メールを送る、などの対処をとれば万全だ。

 

40代を悩ませる「部下」の対処法

・細かく言わないと伝わらない
・常識が通じない
・傷つきやすい
→対処法は「『傾聴』スキルを使うこと」

「今時の若者は傷つきやすい」と言われるが、その根本にあるのは承認欲求。彼らは「わかってほしい」思いが満たされないと「傷ついた」と言い表わすのが特徴だ。
そんな若者には、傾聴ベースの接し方を。特に重要なのは失敗したときの質問の仕方だ。「なぜこうなった」と結果を問いつめるのではなく、「なぜそうしようと思ったの」と背景やプロセスを問うこと。とかく詰問調になりがちな「Why質問」が、相手の思いを汲む承認の言葉へと変貌する。
傾聴と言っても、「ひたすら聴くのみ」という聖人君子のような状態でいる必要はない。「私はこう思っていたんだ」「私もちょっとつらかったなぁ」など、自分の感情も適宜開示しよう。それによりストレスも軽減され、相互理解も深まる。

 

《『THE21』2017年3月号より》

著者紹介

宮本実果(みやもと・みか)

産業カウンセラー/MICA COCORO代表

1975年、北海道生まれ。フリーアナウンサー、鉄道企業本社広報、人材開発コンサルタントなどを経て、産業カウンセラーとなる。2007年、MICA COCOROを設立。パーソナルセッションやセミナー、企業研修を行なう。15年より、ビジネスパーソンのための社内外で通用するコミュニケーションスキル講座「ネクストステージプロジェクト」をプロデュース。著書に、『仕事は人間関係が9割』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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