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今さら聞けない 「中学英文法」

2017年03月08日 公開
2023年04月06日 更新

佐藤誠司(佐藤教育研究所主宰)

今さら聞けない関係代名詞

 関係代名詞とは、前にある名詞(先行詞)を説明する働きを持つ品詞のこと。「名詞+関係代名詞~」という形で使われ、日本語では~する[である]〇〇(名詞)」となる。ただ、関係代名詞をいちいち「~する」などと日本語訳する必要はない。「名詞の後ろに修飾語句が続く目印」として覚えておけば十分だ。関係代名詞には、「who」「which」「that」があり、先行詞が人のときは「who」、モノのときは「which」、「that」はどちらでも使用可能だ。

 この例では、「the book 」の後に入る「that 」が関係代名詞となる。関係代名詞が作る修飾語のかたまりを「関係詞節」というが、これは、関係詞を取り除いても文章が成り立つのがポイント。考え方としては、「This is the book.」a の文がメインとなり、「the book 」を先行詞として、「I read it yesterday. 」b の文章を後ろにくっつける。その際、b の文章の「it 」は「the book 」のことだから、この「it」を関係代名詞「that」に置き換え、さらに一番前に出すのだ。つまり、「I read that yesterday 」として、「that 」を前に出し、「that I read yesterday 」とする。日本語訳では「これは、私が昨日読んだ本です」となる。

 先ほどの例では目的語(O)のitを関係代名詞のthatで置き換えたが、主語(S)を関係代名詞で置き換える場合もある。②の例では、「This isthe car 」と「The car won the race 」に分解でき、最初の文の「the car 」が次の文では主語になっている。そこで、「the car 」を「that 」に変え、「That won the race 」となる。ちなみに目的格の関係代名詞は省略可能だが、主格の場合は省略できない。なお、thatは先行詞が人でも物でも使えるが、「which」は物、「who」は人が先行詞の場合に使う。「who」の場合は目的格と主格の場合で使い分けることもある。たとえば、③の「That is the teacher whoteaches English. 」(あれが、英語を教えている先生です)は「That is the teacher. 」と「He teaches English.」という文を1つにしたもので、先行詞である「the teacher 」=「He」なので、主格である。このときは「who 」を使用する。一方、④の「That is the man who(m) I met there.」(あの人が、私がそこで会った男の人です)は、「That is the man. 」と「I met him there. 」となり、「the man 」=「him 」なので目的格である。このときは「whom 」を使う。なお、whomはwhoで代用してもよい。

 

取材・構成 THE21編集部

 

『THE21』2017年2月号より

著者紹介

佐藤誠司(さとう・せいし)

㈲佐藤教育研究所主宰

東京大学英文科卒業後、私立中学や高校教諭を経て、現在は㈲佐藤教育研究所を主宰。英語全般にわたる著作活動を行なっている。著書に『英作文のためのやさしい英文法』(岩波ジュニア新書)や『中学英語を5日間でやり直す本』(PHP研究所)など、多数。

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