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ストレスに強くなる眠り方とは?

2017年04月05日 公開

井原 裕(獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授)

 

リズムを一定にすれば時間帯はいつでもOK

 では、理想的な7時間睡眠とはどのようなものか。

 最も重要なのは、毎日、同じ時刻に寝て、同じ時刻に起きることです。1日24時間の周期に合わせて、一定のリズムで生活するのです。

 時刻が決まっていれば、何時に寝てもかまいません。「睡眠のゴールデンタイムである午後10時~午前2時は眠っておくべき」という説もありますが、それが難しい職業の人もいるでしょう。「午前0時就寝・午前7時起床」でも、「午前1時就寝・午前8時起床」でも、ストレス応答力は回復します。

 休日は遅くまで寝てしまうという人は多いでしょうが、平日と同じ時刻に起きるようにするべき。平日は午前6時に起きている人が土日に午前10時まで寝てしまうと、そのリズムを身体が覚えてしまい、月曜日の朝がつらくなります。遅く起きるにしても、平日の起床時間から2時間以上はずらさないようにしてください。

 就寝と起床のリズムが身につけば、「寝つけない」という悩みも自然に解消します。人の身体は、起きてから17時間後に眠たくなるようにできているからです。

 ただし、活動中の17時間の折り返し地点、つまり起床からおよそ8.5時間後にも、いったん眠気が来るようにできています。昼下がりに眠たくなるのはそのせいです。

 そのときは30分以下の昼寝をするのがお勧め。スッキリと眠気を取ることができます。30分を超えると、夜の眠気が来るのが遅くなるので要注意。夕方以降の仮眠も禁物です。

 

「寝るためにお酒を飲む」のは最悪の習慣

 寝つきをよくするためにお酒を飲む人がいますが、アルコールは睡眠の質を悪くします。「寝酒をするとよく眠れる」と感じるのは勘違い。アルコールの影響による一時的な意識低下は、睡眠とは別物です。脳波を測定すると、深い睡眠(ノンレム睡眠)が十分に取れないことがわかります。

 アルコールの影響が抜けたところで目が覚めてしまうのも寝酒のデメリットです。

 とくに、大事な仕事の前日は飲酒しないこと。また、お酒を飲んだ夜はふだんよりも1時間長く眠ることをお勧めします。

 寝つきを良くするために最も効果的なのは、肉体を疲労させることです。頭脳労働が多いビジネスマンは肉体疲労よりも精神疲労が強く、「疲れているのに眠れない」という状態になりがちなので、意識的に日中の運動量を増やしたいところです。

 とはいっても、歩く量を多くするだけで十分な運動になります。目安は、1日およそ7,000歩。時間にすると70分間ほどです。「通勤の際、1つ前の駅で降りて歩く」「駅や社内でエレベーターやエスカレーターを使わない」といった工夫をすれば、達成するのはそれほど難しくないでしょう。歩数計やスマホアプリで歩数をチェックするのも良い方法です。

「決まった時刻に起床・就寝する」「7時間睡眠を取る」「日中に十分な活動をする」。これらをまずは実践してください。そうすれば、質の良い睡眠が得られるようになり、メンタルを安定させることにつながります。

 

《取材・構成:林 加愛》
《『THE21』2017年3月号より》

iyashi

著者紹介

井原 裕(いはら・ひろし)

獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授

1962年、神奈川県生まれ。東北大学医学部医学科卒業。自治医科大学大学院(医学博士)、ケンブリッジ大学大学院(Ph.D)修了。国立療養所南花巻病院勤務後、順天堂大学医学部精神科准教授を経て現職。『うつの常識、実は非常識』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。

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