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エステー社長が実践するコミュニケーションの習慣とは?

2017年05月30日 公開

鈴木貴子(エステー社長)

人を動かすには「見た目」にも徹底してこだわろう

 日用品とは別の業界でキャリアを積んだのち、2013年に父が創業したエステーの社長に就任した鈴木貴子氏。就任1年目から経営改革に取り組み、売上げ至上主義から利益志向体質への転換を成し遂げた。鈴木氏はなぜ、短期間で社員を動かし、組織を変えることができたのか。それを可能にしたコミュニケーションの習慣に迫った。

 

笑顔、姿勢、白のスーツで親近感を生み出す

 叔父である現会長(鈴木喬氏)からエステーを託されて4年。鈴木貴子氏は、高収益体制の基盤作り、利益志向経営への転換などの経営改革を推し進めながら、増収増益を達成してきた。創業者の娘とはいえ、異業界でキャリアを積んできた鈴木氏は、本人も認めるとおり、「外から来た人間」。そこで、社長就任までの3カ月間で最初に取り組んだのが、「この人についていきたいと思わせるビジュアル改造だった」と明かす。

「仕事ができる人はどんな人かと考えてみると、人を動かすことのできる人だと思います。言い換えれば、良い意味で『人たらし』であることが大事だと思うのです。そのためには話す内容などももちろん大事ですが、『見た目』も重要。そこで、どのようなビジュアルの人が信頼されるのかを考えました」

 参考にしたのは、海外のCEOや大統領などのパブリックスピーチだ。

「スティーブ・ジョブズやヒラリー・クリントンなど、いろいろな方のパブリックスピーチをYouTubeで山のように見ました。そこで気づいたのは、見る人に安心感を与える要素として、姿勢やジェスチャー、声の大きさやトーンがとても重要だということです」

 中でもとくに重要だと考えたのが「姿勢」。今からは想像しにくいが、「社長になる前は姿勢が悪く、声もこもり気味だった」とは本人の弁。

「そこで、パーソナルトレーナーについてジムで体幹を鍛えたり、ピラティスに取り組んだりしました。姿勢が良くなれば、声の張りや目力も自然と生まれます。あとは、オーディエンスの一人ひとりに目線を合わせるように心がけるだけで、安心感を与える話し方ができるようになりました」

 鈴木氏のビジュアルのこだわりはこれだけではない。公の場で見る鈴木氏は、いつも白いスーツ姿だ。実はこれにも理由があるという。

「日用品メーカーの社長として注意すべきことをイメージコンサルタントの方にお聞きしたら、『一にも二にも清潔感』とアドバイスをいただきました。清潔感を出すには白だと思ったのです。

 また、白にはもう1つ利点があります。ビジネスシーンでは、全身が白の人はほとんどいないので、たとえば業界の会合に参加すると、かなり目立つのです。しかも、私はできるだけ前列の真ん中に座るので、イヤでも目について、『あ、鈴木社長が来てるな』と気づいてもらえます。これも『人たらし』の1つの手法なんです(笑)」

 自分のキャラクターに合ったブランドを確立することがポイントだと鈴木氏は話す。

「私の場合は、白と姿勢、そして『笑顔』だと思っています。これによって、赤ちゃんや犬にも警戒されない、誰からも親しまれる社長になれるように心がけています」

 

価値観が浸透するまで何度でも言い続ける >

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著者紹介

鈴木貴子(すずき・たかこ)

エステー〔株〕取締役兼代表執行役社長(COO)

1962年、東京都生まれ。84年、上智大学外国語学部イスパニア語学科を卒業後、日産自動車〔株〕に入社。中南米エリアのマーケティング業務を担当する。その後、LVJ(ルイ・ヴィトン・ジャパン)グループ〔株〕などを経て、2010年1月にエステー〔株〕に入社。同年4月に執行役、11年に取締役に就任。13年より現職。

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