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【今週の「気になる本」】『感動をつくれますか?』

2017年05月02日 公開

久石譲著/角川oneテーマ21

偉大な作曲家の頭の中へ

ジブリ映画を愛する者にとって、久石譲氏は間違いなく尊敬と敬愛の対象だろう。『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』などなど……ジブリファンなら一度ならず口ずさんだことがあるであろう数々の映画音楽を創ってきた久石氏。私などは運に恵まれインタビューできる日が来たところで、まともに口もきけないのではないかと思ってしまうお人。簡潔に言い表そうとすれば、「天才」。凡人とは何から何まで異なる、天才その一言に尽きると思っていた。この本を読むまでは。

作曲活動の内情や、名監督との仕事の回顧録、さらにはプロとは仕事とは等の考え方まで、幅広く、リズムよく書かれた本書の中から、今回はあえて「本当ですか、久石さん」と言いたくなるような、恐れ多くも思わず共感してしまう箇所をちらりと紹介したい。

・満足いく曲ができると嬉しくて興奮し、「ちょっと、聴いて、聴いて」と人を呼んで聴かせる。

・第一印象がよくない人やドラマであっても、付き合わないわけにもいかないし、仕事ならば精一杯の働きをしなくてはならないため、長所を探し、自分をいかに乗せるかが重要。

・仕事の「核となる部分」を後回しにして後悔したことがある。以来、仕事はまず核心を突く、一番大事なところからやるようにしている。

・苦労は買ってまでする必要はない。苦労が偉いという人は大抵、苦労自慢をするが、そんな話は人にとって面白くもなく、ためにもならない。

・宮崎駿氏、鈴木敏夫氏他を前に、つくった曲をピアノ演奏で披露する際、緊張して途中でつっかえて止まってしまった。気分はまるで受験生。

以上、いちサラリーマンが思わず共感した部分を少しだけ。既にお読みの方からは「あの名著のどこを選んでるんだこいつは」と呆れ顔を向けられそうだ。

が、ところどころで共感できて嬉しくなってしまったその気持ちで読むからこそ、本書に書かれている「大事なところ」の迫力や重みは数段になって畳み掛けてくる。共感できる部分があるからこそ、どこが一流なのか、どこが「普通でない」のかが、明明白白にわかるのだ。「久石さんもこんなことがあるのかぁ」とにやけ顔で喜んでいた次の行を読んだ瞬間、背筋が定規よりもまっすぐになるこの感覚、まだお読みでない方はぜひ体験してみていただきたい。

執筆:MO(「人文・社会」担当)

 
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