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世界の「残念な」ビジネスマンたち(第21回 ブルキナファソ)

2017年05月05日 公開

石澤義裕(デザイナー)

ヒト、モノ、カネが足に絡んで、ちっともコトが進まない


木陰で休むムスリム。

時の過ぎゆくままにノマドって、12年。
軽自動車でアフリカに上陸して、5ヶ月。

そろそろ赤道の尻尾が見えてきそうなものですが、予定や計画はことごとく後ろに倒れてゆく、This is Africa.

どういうわけか、前に進まないのです。

 

GDPの5倍のオファーを蹴った「義の国」?

暑い熱いアフリカにあって、義に厚い国があります。

GDPが120億ドルしかないのに、中国が提示した破格のオファー「500億ドルあげるから、台湾と絶交してくれない?」を断った国です。

貧するも銭を蹴り義を通したのは、台湾を承認する国のなかでもっとも人口の多い某国――。

人口が多いといっても、東京都に福岡県を足した数より少ないのですが、トルシエ元日本代表監督にサッカーを学び、トルシエを「白い魔術師」と言わしめた西アフリカの雄。

知る人ぞ知る、ブルキナファソです。

未だW杯の土を踏んでいないからか、トリビアの泉に浮かんでいそうな存在感のなさは、マイナー界きってのメジャーな存在です。

在ブルキナファソ日本国大使館によると、「ブルキナファソ」とは「高潔な人々の国」という意味で、「高潔な人々」は勤勉で優しい人柄を表すそうです。

一所懸命に働く心が清らかで優しい人たちとは、徹夜でボランティアに励む天使のようですが、けっこうな名前負け。

微妙なさじ加減のヒト、モノ、カネが、官民一体となって足に絡まる社会構造。役所から書類をもらうという簡単なコトですら、泥の中を歩くように遅々として前に進まず。

分け入っても分け入ってもゴールが見えない、魔界なのです。

 

「午前中いっぱいでプリント2枚」という生産性


宿のスタッフ。頼みもしないのにフランス語を教えてくれる働き者。

まず、インターネット。

遅すぎます。歩いた方が速いんじゃないかってくらい、超スローなブギです。

ホームページをひとつ開くだけで、マンゴーを2個食べられるくらいの長丁場。

手際よく仕事を片付けるために下調べしたいのに、永遠に仕事が始まりそうにないジレンマ。

急げば回れ、ネットは諦めました。

目指したのは、プリント屋。

停電……。

プリント屋に責任がないのは重々承知の助ですが、今日1日電気が来なくてもミジンコも驚きはしないという、その呑気な佇まい。イラっとします。

展望のない待ち時間に疲れ果て、急がば回れ、タクシーを飛ばして中心街へ。

たかが10円の印刷に300円ものタクシー代をかけたプリント屋のパソコンは、ほぼ骨董品。

SDカードを入れるとフリーズする、食い合わせの悪さです。

再起動にたっぷり5分、SDカードを咥えてはフリーズ。

このルーティンを繰り返して、お店を追い出されました。

3軒目は、またしても停電。

隣のブロックは天井扇が元気良く回っているのに、ここだけ停電という天中殺です。

新しいプリント屋を求めて、だだっ広いセントロをあてもなく歩くと、要所要所に軍による道路封鎖。

その都度、2ブロックも迂回させられ、無駄に体力を消耗する町づくり。

発電機を持つプリント屋を発見したときは、もうお昼。

午前中の成果は、プリント2枚だけ。

達成感のない疲労に、前頭葉が溶けそうです。

「なるべくやらない課」vs. 「(お金を払えば)すぐやる課」 >

iyashi

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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