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ヒト、モノ、カネが足に絡んでコトが進まず(ブルキナファソ)

2017年05月05日 公開
2017年08月10日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(21)石澤義裕(デザイナー)

「なるべくやらない課」vs.「(お金を払えば)すぐやる課」

さて、役所。

どんだけ心が清い優しい人がいるかと思いきや、これがまた鬼門です。

なんだかんだと難癖をつけて申請を受け付けない、「できるだけやりたくない課」。

窓口を追い出されて落胆していると、どこからともなく現れたのが「(金次第で)すぐやる課」。

「手数料を払うのなら、なんとかいたしましょう」

その額、正規料金の2倍!

国名にある「高潔」の文字が、草場で号泣しています。

翌日、担当者が変わっていないものかと期待して再訪。

想定通りに同じ担当者でしたが、相変わらず異論反論を並べ立てたものの、それがストレスの発散になったのですね、受理してくれました。

ところが指定された2日後、記載が不備だとやり直しを喰らうわけです。

あんだけじーっくりと重箱の隅々まで書類を読んでおきながら、今さら記入漏れはないでしょう旦那あ!

泣く泣く書類を正し、アポより1時間も早く窓口に顔を出したら、

「遅かったね。上司が外出したので、次の営業日に」

アポ、意味ないじゃん。

どんな段取りやねん!

次の営業日と簡単に言うけれど、明日金曜日は祭日。そして土日。月曜日も祭日だから、5日後!

このとき、絶望の深淵からこちらを覗いていたのが、

「手数料2倍で、なんとかなります」

どこまでも銭ゲバな「すぐやる課」なのです。

そして待ちに待った5日後、件の担当者がこともなく言ったのは

「明日、来てくれる?」

自慢の撫で肩が、爆下がりです。


第二の都市Bobo-Dioulassoの洗濯屋。とても私有地には見えませんが、大胆な干しっぷり。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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