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仕事の効率がいい人は、最初にひと手間をかけている

2017年08月11日 公開
2017年08月16日 更新

山本憲明(税理士)

簡単な仕事も「溜める」と大きなムダに!

また、小さなことではありますが、パソコンのショートカットキーを覚えることも初期投資の一つと言えるでしょう。慣れないうちは面倒ですが、一度覚えてしまえば段違いにパソコンでの作業がはかどるでしょう。

パソコン関係で言えば、単語登録もあなどれません。「お世話になっております」「ありがとうございました」など、頻繁に使う用語は、「あ」や「お」のひと言で変換されるように設定しておくと良いでしょう。これも、最初に登録する手間はかかりますが、一度登録してしまえばもうその文字を入力しなくて済むのですから、圧倒的に効率が上がります。

もう一つ、忘れてはいけない小さな積み重ねといえば、交通費や経費の精算、業務報告書などのルーティンワークを「溜めずに処理する」ことです。そんな単純なこと……と思うかもしれませんが、意外とこれができておらず「週末にまとめてやろう」などと溜めてしまっている人が多いように思います。しかし、溜めると領収書をなくしたり、いつの経費かわからなくなったり、忘れてしまったりするものです。すると結果的に、溜めずに処理する場合よりも作業に時間がかかり、ムダが発生するのです。

これらは発生したその日にすぐ入力するよう、習慣づけましょう。デスクトップから該当ページを一発で立ち上げられるようショートカットを作っておいたり、「退勤前の五分間」など経費精算の時間を設けておくと、習慣化できると思います。

 

いかに「邪魔されない」環境を作るかが大事

ここまでは仕事のやり方についてお話ししてきましたが、効率よく仕事をするためには体調や環境を整えることも重要です。

たとえば私の場合、集中して取り組むべき仕事のために、よく睡眠を取り、食べ過ぎないことも心がけています。

そしていざ仕事に集中するには、環境も整える必要があります。会社員の方は、電話が鳴ったり人から話しかけられたりするなど、何かしら邪魔が入るものです。集中したいときには会議室を確保するか、社外へ出るなどの方法を取ると良いでしょう。ただし、離席しても問題ないよう報告や連絡等を先に済ませておくなど、ここでも事前の準備を忘れずに行ないましょう。

 

《『THE21』2017年8月号より》

著者紹介

山本憲明(やまもと・のりあき)

山本憲明税理士事務所代表/税理士

1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。大学卒業後、横河電機〔株〕に入社。社会人6年目から知識ゼロの状態で、働きながら税理士試験の勉強を始める。社会人の合格平均年数が6~7年と言われる難関試験にわずか4年で合格(税理士登録に必要な5科目すべてに合格)。気象予報士、中小企業診断士にも、1年という短期間で合格。著書に『試験に「合格する人」と「落ちる人」の習慣』(明日香出版社)などがある。

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