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ストレスを「部下の成長につなげる工夫」がメンタルダウンを防ぐ

2017年07月26日 公開

白波瀬丈一郎(慶應義塾大学ストレス研究センター副センター長)

中間管理職が大きなカギを握る!
職場のストレス・マネジメント

働く人にとって、ストレスゼロというのは現実的に不可能。また、極度のストレスはメンタルヘルスを害すが、適度なストレスは人間を成長させるとも言われる。では、ビジネスマンにとって適切なストレスとの距離感とは? ストレス研究の第一人者として活躍し、企業のメンタルヘルス対策にも取り組んできた白波瀬氏にお話をうかがった。〈取材・構成=塚田有香〉

 

ストレスとは、
握ったゴムボールと同じ?

ストレスとメンタルヘルスが密接な関係にあることは、誰もが知っていると思います。では、そもそも「ストレス」とはなんなのか。まずはそれを医学の見地から説明しましょう。

ストレスとは、なんらかの刺激を与える「ストレス要因(ストレッサー)」によって、心身に生じるゆがみのことです。それは、ゴムボールを手でぎゅっと握ったときのことを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
このとき、ボールの形をゆがませる指の力が「ストレス要因」、ゆがみに伴って内部に生じる圧力が「ストレス」、ゆがみによって生じるさまざまな変化が「ストレス反応」、ゆがんだボールが元の形に戻ろうとする反発力を「レジリエンス」と呼びます。一般的には、これら四つを合わせて「ストレス」と呼ぶこともあります。

かつて精神医学では、「ストレスの強度は、ストレス要因に依存する」と考えられていました。この考えを前提に作成されたのが「社会再適応評価尺度」です。これは、人々にとってどのようなライフイベントがストレス要因になるかを調査し、それぞれのストレス強度を数値化したもの。たとえば「配偶者の死」なら100、「離婚」は75、「結婚」は50などと、点数に換算されています。
ただし、この尺度には限界がありました。同じライフイベントでも、どのくらいストレスを感じるかは体質や性格などによって個人差があるからです。離婚をして落ち込む人もいれば、スッキリして元気になる人もいるでしょう。

同じ強さでボールを握っても、ボールの堅さや弾力はそれぞれ異なるので、ゆがみ方や元の形に戻ろうとする力にも、差が出るわけです。

職場のストレスを減らす 4つのケアと3つの予防 >

iyashi

著者紹介

白波瀬丈一郎(しらはせ・じょういちろう)

慶應義塾大学ストレス研究センター副センター長

1960年生まれ。86年、慶應義塾大学医学部卒。2002年、医学博士取得。同大学医学部精神・神経科学教室の専任講師を経て、14年より現職。1997年から産業精神保健活動に取り組み、企業のメンタルヘルス対策に携わる。2009年、KEAP(KEIO Employee Assistance Program)を立ち上げ、労働者の復職支援に尽力するとともに、職場の環境改善を含めたトータルなメンタルヘルスマネジメントを行なっている。

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