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アイデアは「記憶の複合」で生まれる!

2017年07月27日 公開

おちまさと(プロデューサー)

 

「初めての体験」は記憶に残りやすい

 ビジュアルで記憶するなんてとても真似できない……と思う人もいるだろうが、大人になってからでも訓練次第でこのスキルは身につくはず、とおち氏。

「写真のように記憶するのは無理でも、『覚えておこう』と意識的に思うだけでもうっすらとは保存され、それが思わぬ形で意識に上がって発想につながることがあるはずです。まずは、覚えたいことを見つけたら『覚えよう』という意志を持つことが大事です。

 そして覚える際は、細部に集中するのではなく、広く全体像として捉えることです。また、『良い感情』と結びつけるのも大切。楽しかった思い出などは記憶に残りやすいものです。今は、良くも悪くもスマホのカメラで手軽にイメージを細部まで残せる時代。頭の中に記憶するためにはより意識的に行なう必要があります」

 とはいえ、幼少期に持っていた好奇心をすでに失った大人も多い。「覚えておこう」と思うような場面になかなか出合えないという人も多いのではないだろうか。

「その場合、『初めての体験』を作るのがお勧めです。初めて買ったCDや初めて観た映画、それからファーストキス……よく覚えているでしょう? 大人になってからでも、意識してみると日々、ちょっとした『初めてのこと』はあるものです。

とくに、子供と暮らしていると、小さな新しい発見はたくさんあります。些細なことでも構いません。実は人生は毎日『初めて』だらけだということを認識することが大切です。初めての出来事や初めて感じたことは記憶として残りやすいのです。そうやって意識的に行動を起こして記憶する習慣をつけていけば、記憶力も鍛えられるでしょう」

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著者紹介

おちまさと(おち・まさと)

プロデューサー

1965年、東京都生まれ。東京スカイツリーソラマチ室内遊園地の総合プロデュースをはじめ、IT、アパレル、外食、食品、不動産、保育園や子供関連など、ジャンルを越えた企業のCBO・顧問・ネット戦略のブランディングを務める。厚生労働省イクメンプロジェクト推進メンバー。著書多数。

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