THE21 » キャリア » 残業ゼロの企業に学ぶ「業務効率化のための6つのルール」

残業ゼロの企業に学ぶ「業務効率化のための6つのルール」

2017年08月14日 公開
2022年12月22日 更新

岩崎裕美子(ランクアップ代表取締役)

残業ランキングの公表を続ける理由

同社では、毎月の全社員の残業時間をランキングしている。基本的に残業している社員自体が少ないが、それでも毎月行なうのは、「二度と長時間労働の会社に戻らない」という決意の表われでもある。

「残業の理由は必ず確認します。イベントなど、突発的でやむを得ない理由もあります。しかし、残業が慢性的に続く場合は、都度、仕事の棚卸しをして整理。少しでも忙しいとき、『1時間くらいいいかな』と残業する社員が増えれば、残業を容認する空気が生まれます。そうなったら最後、残業文化は瞬く間に広がります。だから、今は残業ゼロでも、安心はできません。

なお、当社では新人については残業を許可しています。仕事を覚えるには一定の時間がかかるため、成長のために許可しているのです。それでも、20時には誰もいませんが(笑)」

「これからは男性にとっても、残業ゼロは目指すべき価値がある」と岩崎氏。

「共働き家庭が増える中、奥さんが出産・育児で大変な時期にご主人が協力してあげられなければ、家族は幸せになれません。働く人が仕事も家庭も幸せであるために、男性も早く帰れる社会になってほしいと思います。

どんなことも、背に腹は代えられない状況になれば達成できるもの。残業ゼロも、本当に必要だと思えば、実現に向けてやれることは多々あるはずです」

岩崎裕美子

(『THE21』2017年8月号特集「1時間以上早く仕事が片づく!すごい時短術」より)

 

著者紹介

岩崎裕美子(いわさき・ゆみこ)

[株]ランクアップ代表取締役

1968年、北海道生まれ。短大卒業後、大手旅行代理店勤務を経て、広告ベンチャーの取締役営業本部長に就任。2005年、ランクアップ設立。ヒット商品「ホットクレンジングゲル」は累計販売数750万本を超え、現在社員数51名で約85億円を売り上げる。2013年には東京都の「東京ワーク・ライフ・バランス認定企業」の育児・介護休業制度充実部門に、通信販売業界で初めて選ばれた。著書に『ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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