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ソフトバンク孫社長に学んだ「数値化」仕事術【前編】

2017年08月16日 公開
2023年03月23日 更新

三木雄信(ジャパン・フラッグシップ・プロジェクト社長)

数値化こそが「超スピード成長」の最大要因

このように、どれほど困難に思える問題も、数値化すれば解決の糸口がつかめます。

しかも、解決までの時間を一気に短縮できます。

だから孫社長はあれほど数字にこだわり、数値化の威力を存分に活用してきたのです。

ソフトバンクは創業以来、新たな分野に次々と進出してきました。

ソフトウエア販売に始まり、インターネット検索ポータル「Yahoo!JAPAN」を立ち上げ、ADSL事業に参入し、携帯電話事業を始めてiPhoneを独占販売し、Pepperの開発でロボット事業に乗り出す。しかもこれらを、わずかな期間でやり遂げてきたのです。

経験もノウハウもない未知の分野に乗り込むのですから、当然あらゆる問題が発生します。

それでも急成長を続けてこられたのは、孫社長と社員たちが「問題の数値化」という技術を駆使して、他社の何倍、何十倍もスピーディに解決してきたからに他なりません。

だからこそ、ゼロから創業した小さなベンチャー企業が、わずか35年ほどで時価総額10兆円規模の巨大企業へと進化できたのです。

 

問題解決に絶対役立つ「データ分析・七つ道具」

ここまでで、数値化の威力については十分にご理解いただけたでしょう。

ただ、「日々の仕事で、どんな数字を計測し、それをどう分析すればいいかわからない……」という人も多いと思います。

そこで拙著『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』では、私が実際に仕事でよく使う「七つのデータ分析手法」を紹介しています。

①プロセス分析
②散布図と単回帰分析
③重回帰分析
④パレート図分析
⑤T勘定
⑥差異分析
⑦LTV分析

いずれも難しい統計学の知識や高度なエクセルのスキルは一切不要です。もちろん、統計学の専門知識や、複雑な数学の理論を勉強する必要も一切ありません。

ぜひあなたも、今日から実際に仕事で使ってみてください。

(後編に続く)

(写真撮影:まるやゆういち)

著者紹介

三木雄信(みき・たけのぶ)

トライオン〔株〕代表取締役社長

1972年、福岡県生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱地所㈱を経て、ソフトバンク㈱に入社。27歳で同社社長室長に就任。孫正義氏の下で「Yahoo!BB事業」など担当する。 英会話は大の苦手だったが、ソフトバンク入社後に猛勉強。仕事に必要な英語だけを集中的に学習する独自のやり方で「通訳なしで交渉ができるレベル」の英語をわずか1年でマスター。2006年にはジャパン・フラッグシップ・プロジェクト㈱を設立し、同社代表取締役社長に就任。同年、子会社のトライオン㈱を設立し、2013年に英会話スクール事業に進出。2015年にはコーチング英会話『TORAIZ(トライズ)』を開始し、日本の英語教育を抜本的に変えていくことを目指している。2017年1月には、『海外経験ゼロでも仕事が忙しくでも 英語は1年でマスターできる』(PHPビジネス新書)を上梓。近著に『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』(PHP研究所)がある。

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