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多様化するモチベーションをどう管理するか

2017年10月09日 公開

小笹芳央(リンクアンドモチベーション会長)

「あるべき姿」と「禁止事項」の合わせ技

チーム内でビジョンや理念を共有するには、リーダーがメンバーに繰り返し伝えていく必要がある。ただ、しっかり伝えたつもりでも、浸透していないことは起こり得る。

「浸透させるには、二つの方法があります。一つは、自分たちのミッションに照らし合わせて、自分たちの『あるべき姿』を言語化し、共有すること。もう一つは、『これはやめておこう』という禁止事項を設定することです。
たとえば『お客様満足度ナンバーワンを目指す』というミッションがあるとします。このとき、そのためにすべきことを共有するだけではなく、『電話は30秒以上お待たせしない』『ご要望に応えられない場合でも、すぐにNOと言わない』など、達成のために『してはならない』ことも共有しておくのです。
若い人の場合、自分の仕事と使命の間に距離を感じることも多いので、『こうありたい』よりも『~してはいけない』のほうが腑に落ちやすいものです。ポジティブな『ありたい姿』と、ネガティブな『禁止事項』の両方を設定すれば、組織のベクトルは合わせやすくなります」

最近はプレイングマネジャーが増え、部下とのコミュニケーション不足も問題になっている。

「リーマンショックの後、多くの企業がプレイングマネジャーを増やしました。その結果、現場の戦力としては優秀だけれども、チームのマネジメントや部下育成にまで手が回らないリーダーが増えています。しかし、そんな難しい時代だからこそ、部下としっかりとコミュニケーションを取り、多様化する個々のモチベーションに向き合ってメンバーをうまく束ねられる人が、重用されるのは間違いありません」

 

《『THE21』2017年10月号より》

iyashi

著者紹介

小笹芳央(おざさ・よしひさ)

リンクアンドモチベーション会長

1961年大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルートに入社し、人事部で採用活動などに携わる。組織人事コンサルティング室長、ワークス研究所主幹研究員などを経て独立。2000年に株式会社リンクアンドモチベーションを設立し社長に就任。’13年から現職。モチベーションエンジニアリングという同社の基幹技術を確立し、幅広い業界からその実効性が支持されている。
著書に、『1日3分で人生が変わるセルフ・モチベーション』『変化を生み出すモチベーション・マネジメント』(以上、PHPビジネス新書)、『会社の品格』(幻冬舎新書)、『お金の話にきれいごとはいらない』(三笠書房)など多数。

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